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テンポラリー通信

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2010年 12月 16日

声の届く風景ー夢の系譜(19)

どんなに遠くとも見ている人は見ている。
情報手段の発達もあるだろうが、問題は感じる心の主体の存在だ。
嬉しいコメントが、ドイツ在住のK&AYAから届いていた。
作品を通して繋がるこの回路を、私は信じたい。
粘菌の研究者が、粘菌の有機的な繁殖回路を東京の地下鉄路線図と
重ね、その合理的な効率性を発見し発表したとニュースが伝えていた。
蟻の地下の巣の回路もまた、建築家が驚くような合理性・効率性
に満ちている。
巣穴の一室一室の連携が誠に理に適って最短距離なのだそうだ。
これら生物の本能的とも言うべき有機的な回路を、我々人間もまた
本来的に保っている筈である。
ひとつの作品が人に及ぼす回路は、時としてそんな有機的な回路に
近いものがある。
一本一本の木の繋がりが、森という有機的な世界を形成するように、
ひとりひとりの志の世界が、有機的な回路を創り世界を結ぶ。
デジタルな線引きではなく、こうした有機的な世界との関わり方を、
作品の広がる回路は保っている筈である。
そうした世界との回路から、この世界をRepublicする事。
それが文化の持つ大きな使命と思えるのだ。
来年は、昆テンポラリーから墾テンポラリーへと、昆虫から石を主題に
その新たな回路の開墾に挑戦したいと思う。
黒曜石(十勝石)と札幌軟石を素材に、粘菌や蟻のように有機的な回路
を拓き、世界を再構築してみたいと思う。
夢の系譜。
その近代の精神の台地に埋もれた鉱石を発掘し、現代の精神的基盤として
我々固有の場を耕せねばならない。
年の瀬も押し迫り、そんな明年への希望が湧くのだ。

*野上裕之展「鳥を放つ」-12月21日(火)-1月16日(日)
 am11時ーpm7時:月曜・元旦休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-12-16 13:05 | Comments(0)


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