佐佐木方斎展最終日。
かって「美術ノート」に時評を書いていた佐藤真史さんが来る。
川俣正のテトラハウスプロジェクトに唐牛幸史さんたちとも一緒に参加し、
その後美術批評の方で健筆を奮っていた人である。
多分この時の川俣経験によって唐牛さんと同様人生の舵を変えたひとり
なのだ。
しかし今は体調を崩し批評の仕事を止め、教師ひと筋の人生を歩んでいる。
彫刻家の唐牛さんといい、この佐藤さんといい、今こうして佐佐木方斎の
復活に付き合うようにぽつりぽつりと姿を表わして、旧交を暖める風景は、
なんともいえない気がする。
私は、方斎・真史のツーショウットをカメラに収めた。
佐藤さんが帰ってから、夕張美術館の前館長上木和正氏が見える。
先日同美術館の源藤隆一さんの訃報を知らせてくれた人である。
ここに移転してからは初めての来廊で、思わず肩を抱き合い再会を喜ぶ。
ブログ上で一部始終を読んでいて、私の近・現況は詳知しているという。
文章から空間をイメージし、今回はなんとしても見に来ようと真っ直ぐ夕張
から来たという。
佐佐木方斎を上木さんに紹介し、例によって彼の旧作3部作、美術ノート等
を見てもらった。
性急に感想を求めたくもなったが、じっくり丁寧に見てくれるその姿が嬉しく、
そんな気持を背後に押しやってしまったのだ。、
上木さんにしても、新たなテンポラリースペースと佐佐木方斎の画業と
一度に両方の感想を求められてもその時言葉に出来なかったに違いない。
さらに彼の同志ともいうべき源藤隆一さんとの積る想い出話もある。
一段落して奥の談話室でぽつりぽつりと話が深まる。
多くの言葉が胸の奥で反芻する中、それにもかかわらずこの場所の運営
についても、細かな配慮を頂いた。
そしてその会話には、衰退した夕張での苦労の実感が短い言葉の背後に
も篭もっていて、私には心に沁みいる気遣いに感じられた。
同席した短大2年のマルちゃん、活字印刷の酒井さん、歌人の山田航さん
といった若い友人たちとともに、佐佐木方斎展最終日は新旧の魂が集うよう
に、暖かく静かに幕を下ろした。
環境も世代も仕事もまったく違う6人が、最終日の最後を共に過ごし、
振り返ればそこは、とても柔らかくいい時間が流れていたのだ。
*一原有徳追悼展ー11月17日(水)-26日(金)am11時ーpm7時。
:月曜定休。
*及川恒平ライブ「まだあたたかい悲しみ」-11月23日(祝)午後4時~
予約2500円・当日3000円。
*岡部亮展withシミー書房「詩の本と彫刻」-11月30日(火)-12月12日(日)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503