テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2010年 11月 09日

ナカガワとササキーNovember step(11)

札幌芸術の森美術館で今展示中の「さっぽろ・昭和30年代」展のカタログを
美術館のY氏が来て、寄贈してくれる。
美術評論家なかがわ・つかさを軸に昭和30年代という時代を振り返る
展覧会である。
なかがわ・つかさという名前は、佐佐木方斎さんから時々聞く事があった。
佐佐木さんが「美術ノート」を語る時に、なががわ・つかさの月刊誌「美術
北海道」の存在を先駆者としてあげるからだ。
この批評という受け手の側の歴史を、公的な美術館が企画として取り上げ
見直し位置付けようとする姿勢は、ある正統な時代意識と思える。
公募展主体の美術組織的観点からではなく、作家主体の個的批評軸を
立ち上げようと奮闘したなかがわ・つかさの仕事を、今時代として振り返る
事は美術館自体の成熟をも感じさせるものと思う。
私自身は、なかがわ・つかさという人物・その業績についてはほとんど
未知であったが、今回この展覧会を通してある異邦人が昭和28年に不意に
来道し札幌に住み着いてひとつの渦を巻き起こし、僅か10年でこの世を
去って行った熱い軌跡を初めて知る事となった。
この虹のようななかがわ・つかさの軌跡の後に、’80年代佐佐木方斎の「美術
ノート」が続くと私には見えるのである。
今度のカタログではそこまで位置付ける作業は進んではいない。
しかしながら、美術の時代状況を受け手の側からの投球として捉え直す視座
を提示した事において、この展覧会は画期的な企画と評価できるのである。
偶然の出来事だが、同時期にこのふたりの展覧会が催され、佐佐木方斎の
’70年代、’80年代が作家としては仕事は勿論の事だが、同時に彼の
「美術ノート」全10巻の仕事が、なかがわ・つかさの正統な批評軸の系譜として
現在に繋がる事を私は直感しているのだ。

*佐佐木方斎展「逆絵画」-11月2日(火)-14日(日)am11時ーpm7時。
 月曜定休・休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2010-11-09 12:26 | Comments(0)


<< 3本のチューリップーNovem...      夕張の人ーNovember s... >>