テンポラリー通信

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2010年 11月 07日

夕張の人ーNovember step(10)

夕張市美術館の源藤隆一さんが亡くなられたとの訃報を受ける。
先月10月10日の事である。
そんなに深いお付き合いはなかったが、生真面目な風貌が甦る。
館長の上木和正さんとともに、衰退する夕張で炭鉱画家の系譜をしっかりと
展示に根づかせてきた人である。
昨年暮の東京目黒美術館「’文化’資源としての<炭鉱>」展で講座「炭都・
夕張の美術、文化の再生に向けて」に写真家の佐藤時啓氏と対談された
のが、私には源藤さんの名前を聞いた最後となった。
この目黒美術館の昨年度ベストスリーに入る優れた企画展を、いつかともに
語り合いたいなあと思っていたが、今はそれも叶わぬ事となった。
’80年代から’90年代にかけて私は何度も夕張を訪ね、多くの作家たちに
都市論の角度から夕張を主題に問題提起をしてきた。
その訪問の何度目かに源藤さんと出会った。
美術家の岡部昌生、ハタオ、写真家の佐藤時啓、詩人の吉増剛造。
また夕張在住の画家畠山哲雄さんともこの頃知り合い、2度に渡り
テンポラリーで個展を開いた事もある。
これらの作家たちのテンポラリースペースでの作品は、目黒美術館の展覧会
で一角を占め、都市の視角から見た炭鉱として別途紹介されたのである。
私の夕張への視座は夕張生れの源藤さんとはまた異なるものだったが、
その相違も含めて夕張について、熱く語り尽くしたかった気持ちが今も
残るのである。
画家の畠山哲雄さんと同じく、真に夕張に生き夕張と共にその人生が
あった人である。
私のような札幌生れのよそ者が、夕張を語り夕張に足繁く訪れた者にも
決して嫌な顔ひとつせずいろんな場所を案内して頂いた。
その時の生真面目な横顔が今も瞼に浮かぶ。
心の奥底でまだまだ語り尽くせぬ夕張への愛を深く秘めていた人である。
今その事をあらためて、思うのだ。

*佐佐木方斎展「逆絵画」-11月2日(火)-14日(日)am11時ーpm7時。
 :月曜定休・休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2010-11-07 12:05 | Comments(0)


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