テンポラリー通信

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2010年 10月 20日

幻の山ー秋のフーガ(15)

幻のポロヌプリ支笏火山が見えてきて、その溶結凝灰石・札幌軟石を
モチーフに、次なるテーマ<墾>テンポラリー展への展開を、熊谷直樹さん、
河田雅文さん、赤坂真真一郎さんと個別に話している。
今回の、<昆>テンポラリー展を通して開いてきた主題である。
<昆虫>から<土・地>のテーマへと、今回の展覧会は導いてくれた
気がする。
これらは、Cultivateシリーズとして、毎年継続したく思うのだ。
山に例えれば山頂の高みの一点ではなく、その山頂を形成する中腹・裾野
から今という現場を再生すること。
その行為を、文化のcultivate(耕す/養う)行為として位置付ける。
contemporaryの<con>を噛み砕き、con(ともに)の在りようを、
それぞれの表現領域の基底テーマとして設定すること。
その意味で、幻の大山(ポロヌプリ)は、札幌という一地方の大地を形成
した地・土の源のひとつであり、そこを基底として表現による再生・再構築を
意図するものでもあるのだ。
明年までこの企画は、じっくりと暖めたい。そんな思いでいる。

ぱらり、ぽらりと人が見えて、この優れた展覧会はそんなに人の目に
まだ触れてはいない。
しかし展示中の熱い共同作業を経た後の感覚からいえば、何千人、何万人
という動員数の問題は本質的ではなく、関わった当事者の満足度のほうに
針は揺れる。
まだ会期は残っているので、早計といえば早計とも思えるが、負け惜しみで
はなく、真実そう思うのである。
本質的な思考の垂鉛の深さにおいて評価は定めるもので、量数の横軸で
この展覧会の垂鉛の縦軸の質を測るべきではないと考える。
この地に生きる昆虫への主題提起が、幻の大山へと繋がった一事を思えば、
その事実が証明されるのだ。

毎日会場に姿を現して丁寧に作品を説明している河田さん、山田さんを
見ていて、当事者の熱い思いは少しも切れずなお一層燃えているのを
日々感じている。

*昆テンポラリー展「札幌の昆虫を素材にして」-10月24日(日)まで。
 am11時ーpm7時。
 :谷口顕一郎・森本めぐみ(美術)・河田雅文(会場構成・映像)山田航(短歌)
  ・文月悠光(現代詩)。
 :素材提供・木野田君公「札幌の昆虫」(北海道大学出版会)。
 :企画原案・熊谷直樹。
 :企画協力・札幌市博物館活動センター・テンポラリースペース。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2010-10-20 14:45 | Comments(0)


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