テンポラリー通信

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2010年 10月 13日

昆虫曼陀羅ー秋のフーガ(8)

「蟲感」と題された20分程の河田雅文さんの映像も設定されて、
会場の出品作家全員の作品が揃った。
昨夜は映像編集で徹夜したようで、河田さんの目が赤い。
会場の全体構成、自分の作品編集と、この間大車輪であった。
出来上がった映像は、旧琴似川沿いの自宅の虫の映像から始まり、
ここテンポラリーへと至る家の庭、道、森、池等がテンポ良く編集
されている。この人の映像は撮影時のリズムが、誠に快い。
以前ここでした個展も床板を一部剥し、そこにモニターを設置して
川の映像を小1時間程流していたが、一度見入ると最後まで見てしまう
不思議な吸引力を保つものであった。
川の中を携帯自転車に乗り映していく、この速度のリズムが絶妙で、
自転車の速度と川の速度がシンクロナイズし、川面からの視線が
不思議な非日常の視角を創っていた。
今回は虫の目線で、地上を空を森を水を見ている。
彼の視座は、旧琴似川沿いの自宅庭に残る自然から立上げ、
会場に至る過程が、いつも映像の基軸にある。
前の川の映像もそうである。
見えない川、舗道の翳の自然を捲(めく)るようにして、
視覚化される映像である。
その範囲は自宅から僅か1キロ程の範囲なのだ。
庭の草、枯れ木を生け花のように無造作に盛り、その中にモニターが
設置され、2階西窓の回廊奥に流れている。

午後ほぼ会場が完成した頃、北海道大学出版会の方が訪ねて来る。
木野田君公さんの「札幌の昆虫」を委託販売できるよう著者から
お願いして頂いたからである。
快くご承諾頂き、会場にまず10冊置かせて頂いた。
それから朝から来ていた山田航さん、谷口顕一郎さん、河田雅文さん、
森本めぐみさんを順次紹介した。
すっかり会場の作品、人に魅せられたようで、さらに奥の談話室で
話し込んだ時には「札幌・緑の運河エルムゾーンを守る会」の署名運動
にも参加し自分でも署名活動をすると言ってくれた。
もう一度あらためて来ると約束して帰り際、こんなに濃い時間が過ごせる
とは思ってもいなかったと、呟くように話して帰られた。
素材提供の木野田君公さんの著書も揃い、会場はこれですべての基本
構成が整ったのである。
あとは細かなディテールが密にひたひたと埋まり、会期中の時間を
満たしてゆくだろう。
夕方谷口さんの奥さん彩さんも合流し、勤務を終えた熊谷さん、
酒井さんも来て役者が揃い、賑やかな初日となる。

*昆テンポラリー展「札幌の昆虫を素材にして」-10月12日(火)-24日(日)
 am11時ーpm7時。月曜定休。
 :谷口顕一郎・森本めぐみ(美術)・河田雅文(構成・映像)・山田航(短歌)・
  文月悠光(現代詩)
 :素材提供木野田君公「札幌の昆虫」(北海道大学出版会)
 :企画・熊谷直樹・企画協力・札幌市博物館活動センター。テンポラリー
  スペース。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
 
 
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by kakiten | 2010-10-13 12:15 | Comments(0)


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