テンポラリー通信

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2010年 10月 12日

昆テンポラリー展ー秋のフーガ(7)

山田航さんの短歌8首を2首づつに分け、標本箱4個に収める。
そこに、木野田さんからお借りした昆虫の標本を微細な位置で置いていく。
例えば

  ただ羽化を信じてゐたりカンテラを掲げて都市という巨樹を見る

という短歌には、キタスカシドという蛾が添えられる。
他に2匹微小ながら不思議な形態の昆虫が、歌の周りに飛ぶ。
このようにして、他の歌にも昆虫が添えられ、歌の意味と昆虫が交響
して置かれていく。
この作業も短冊形に短歌を印刷した紙を切り、標本箱に留めそこから
昆虫を虫ピンで刺して置いてゆく、注意深い作業が続いた。
貴重な標本をお借りした事もあり、神経の使う作業である。
この作業を熊谷直樹さんと作者の山田航さんが、声を掛け合って
昆虫の選択・位置の確認をしながら続ける。
一方河田雅文さんは、自宅庭から運んだ植物を2階に飾り、そこにモニター
を設置している。
草葉の翳から彼の映像が流れる仕組みである。
さらに文月悠光さんの詩は、透明なプラスチックに印刷され、2階回廊に
ぐるりと4枚連写で展示される。
印刷所からカッターの道具を持って来た酒井博史さんが、手際良く
裁断し壁に虫ピンで留めている。
森本めぐみさんは、小さな昆虫の部分造型を1階壁から2階壁に
向かって細胞の増殖のように壁に打ち込む作業を続けている。
この細かな真鍮の造形物の展開は、会場全体をある有機的な空間に
変え、空間の一体感を醸し出している。
さらに細かな仕上げの作業は初日の朝も続いている。

*昆テンポラリー展「札幌の昆虫を素材に」-10月12日(火)-24日(日)
 am11時ーpm7時。月曜定休。
 :谷口顕一郎・森本めぐみ(美術)・河田雅文(会場構成・映像)・
  山田航(短歌)・文月悠光(現代詩)。
 :素材提供木野田君公「札幌の昆虫」(北海道大学出版会)
 :企画・熊谷直樹・企画協力・テンポラリースペース。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2010-10-12 11:35 | Comments(0)


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