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テンポラリー通信

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2010年 09月 25日

ベーマー会会合ー谷口顕一郎展(7)

明治のお雇外国人ルイス・ベーマーの功績を発掘し、その研究誌を
発行しているベーマー会の会合が、宇田川洋さんの居酒屋であると
連絡を受けたので、閉廊後で出かけた。
以前お会いした上野昌美さんとベーマー会会長の加茂稔さん、副会長
のKさんが迎えてくれる。
3人は同じ大学の同窓という事だが、余市出身の加茂さんが余市の
リンゴのルーツがベーマーの尽力によるものと知り、ベーマー会を結成
したという。
さらにビールのホップや醸造用のブドウ、リンゴの苗木の輸入と
知られざるルイス・ベーマーの功績を発掘し、日本の近代における
若き外国人と若き日本人の夢の軌跡を再発見し記録しようという会
である。
「札幌・緑の運河エルムゾーンを守る会」を立ち上げた際、このゾーン
に残る清華亭の庭、道庁前庭に関わった造園家ベーマーの存在が縁
となって、この会の存在を知ったのである。
この日の昼過ぎ利尻島出身の田原洋朗さんが谷口展を見に来た。
そして久し振りに彼と同郷の友人の西村秀樹さんの話をしたばかり
だった。
若くして亡くなった西村さんは、札幌ビールの生みの親村橋久成を
再発見しその生涯を「夢のサムライ」という一冊の本にした人である。
しかしその村橋久成をしても、このベーマーの存在を抜きに彼の仕事
は為し得なかったのだ。
若き薩摩の人村橋久成と若き米国人ベーマーの出会いがなければ、
今日のサッポロビールもなかった。
さらにベーマーの功績は、青森や長野のリンゴの栽培、品種改良に
、余市のリンゴにも及ぶのである。
造園家としても優れた手腕を発揮し札幌の豊平館庭、清華亭庭も
ベーマーの手によるものである。
私は西村秀樹の著書により村橋久成を知り、さらに今回エルムゾーン
にある清華亭からルイス・ベーマー会の存在を知った。
西村さんの友人であった田原さんが久し振りに来て、しばらくはこの話
に花が咲いたのである。
そんな流れの中で出席したベーマー会会合は、実に楽しいものだった。
20世紀少年のようなおじさんたちは、いろんな所に話が飛び火していく。
同じ場所で会合をしていた黒曜石自然公園のグループとも合流し
話は多方面に跳んだ。
黒曜石もまた、歴史上大きな軌跡を刻んだ存在である。
この貴石の貴重な天然産地を保存し、アピールする会の集まりが
ちょうど同じ宇田川さんの居酒屋で開かれていたのだ。
その会長の木村さんとも口角泡を飛ばして話しこむ。
話が多岐に渡りまとめる事も出来ないが、熱い渦のような一夜であった。
とりあえず覚えている事は、次号のべーマー会会誌に寄稿を頼まれた
事だけは今覚えている。

*谷口顕一郎展「凹みスタデイ♯19」-9月21日(火)-10月3日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-09-25 13:20 | Comments(0)


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