テンポラリー通信

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2010年 09月 24日

三日目のことー谷口顕一郎展(6)

昨日は谷口顕一郎さんも含めて、次回の「昆テンポラリー展」の
打ち合わせをする。
木野田君公さんの著書「札幌の昆虫」を素材に、我々の生きている場を
昆虫の目線から再構成する展覧会である。
これは昆虫の標本展ではない。
羽や顔を大きく引き伸ばしたり、その形態を画家が独自に描いたりして
この地の風土に生きる生命を主題とする美術展でもある。
札幌を含めた石狩という土の世界、そこに昆虫の存在は
絶大なるものがある。
植物もまた昆虫を仲介にして生きている。
土そのものもまた、虫の存在を抜きに活性化はない。
勿論の事だが、その有機的な循環の世界に人間もまた生きている。
植物と同じように、昆虫にもここでしか見られない種がある。
その自然の有機的な世界から、もう一度自分たちの生きている世界を
昆虫を通して再発見し、昆虫の姿を通して表現しようとする展覧会である。
参加作家は谷口顕一郎、森本めぐみ、河田雅文、山田航、文月悠光を
予定している。
作品素材は、木野田君公さんの豊富な昆虫コレクシヨンから資料を
提供して頂く。
北大出版局から発行された木野田さんの「札幌の昆虫」という本。
この本から作家が想いを膨らませ、そこからそれぞれが惹かれた
昆虫のさらなる資料を木野田さんに提供頂き、独自に進化した美しい
形態をそれぞれの作家が表現するという試みである。
さらに木野田さんの個人的に撮影された昆虫の拡大写真を使って
会場のデイテールを構成する。
この辺の会場構成もみんなで創りあげてゆく予定である。
フライヤーの制作は活字印刷を手がける日章堂の酒井博史さんに
来て頂き相談した。
昆虫の羽の拡大写真の一部を印鑑状にしてシンボルマークに
する事が決まる。
植物とはまた異なる昆虫のアクテイブな躍動感、そのキラリとした
優美な動的形象は、単体の虫という概念を超えた生き物の美しさ
に満ちている。
デイテールに神宿る、である。
そうした微小の世界の集積に我々人間の生きている世界がある。
そしてこの土の中の世界を破壊するのも我々人間である。
土の裾野からもう一度この世界を再構成するカルチベートな試み。
思い上がったカルチャー頂点を根っ子から見詰め直す。
そこにconーtemporaryな真の視座の構築がある。
con(ともに・・)と、昆虫の昆を重ね、土の中からの視座・形態化が
今回の昆テンポラリー展の主題となる。
それぞれがそれぞれに好きな昆虫を選んで、わいわいとこの空間
が昆虫マンダラの空間に変容すればいい。
昆虫好きの人も嫌いな人も、紛れもなく我々はその大地の上に
生きているのだ。
虫のいない大地なんて、貧しく殺伐たる荒野ではないのか。
もし虫がいなくなれば、そこはレーチェル・カーソルが警告した
「沈黙の春」の世界、鳥も鳴かず花も咲かない世界となるのだ。

*谷口顕一郎展「凹みスタデイ♯19」-9月21日(火)-10月3日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊。
*昆テンポラリー展「札幌の昆虫を素材にして」-10月12日(火)
 -24日(日)
*佐佐木方斎新作展「逆絵画」ー11月2日(火)ー14日(日)
*及川恒平ライブ「まだあたたかい悲しみ」-11月23日(祝日)
 pm6時~:当日3000円・予約2500円。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2010-09-24 12:02 | Comments(0)


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