テンポラリー通信

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2010年 08月 31日

街角という森ーハルニレの羽(16)

休廊日。2ヵ月ぶりにH内科へ。
腎臓数値が高く、塩分控え目にと少しきつく先生に言われる。
血圧は平常だが、腎機能が弱っている。
帰り際無理しないでね、と声をかけられる。
次に奥歯に違和感があったので、M歯科に行く。
レントゲンを撮り、根の治療をする。
次回の予約に診察券を忘れてきたので、新しいのにした。
前のはもう古くてぼろぼろだったから、記念にとって置きますと
言ったらS先生は笑っていた。
それから遅い昼食を摂り、移転してから一度も行っていない
パン屋に寄る。
この辺りに居た頃、必ずのように寄っていたパン屋である。
本店は旭ケ丘に移転し、支店としてあったのだがこれも移転していた。
最近近くにある事に気付いたので初めて寄る。
顔馴染みの店の人が変わらず居て、久し振りと声をかけてくれる。
さらに地下鉄駅傍の写真店に寄り、頼んでいた現像を貰う。
コダックフイルムを3本サービスしてくれる。
店主の奥さんも居て、お元気そうでと話し掛けられる。
昼間寄ることはないので、奥さんとは久し振りだった。

この街を出て4年以上が経つが、この街のお医者さん、店は変わらず
暖かい。
H内科のH先生はマンシヨン反対運動を支持し、最近町医者の立場から
書いたエッセイ集も出版している。
M歯科のS先生は網走出身で、先生の甥っ子は佐々木恒雄さんと同じ
漁師である。
パン屋のお姉さんは、私のフランスパン好きを知っていて、黙ってバタール
を出してくれる。
写真店のAさんはアナログカメラのフイルムをいつもサービスしてくれる。
そしてかける声は、前は痩せたね、今は元気そうだねである。
昨日久し振りに一度に廻って、高層ビルの林立が進む街角に変わらぬ
人の情に触れた気がした。
まだ等身大の街角が、人の心を通して残っていた。
コンビニやスーパーのマニアルとは違う接する心だ。
街という小さな人間の森は、こうした店主のような地に生きる人たちが
創っている。
森のように有機的な世界が、人と人の関係性において在する。
住のパック化、店のパックと化した市街地に、この森は存在しない。
人と物の量数をパック化した市街地化は、ここの街名をデジタルな
西28丁目駅と決めた時にもうその下地を作っていたのだろう。
私が会った人たちは多分、円山北町というかってあった固有の地名の街の
人たちである。
しかしそれは、昔からそこにいたという意味ではない。
心の生き方の事である。
そこに住んで、生きて、心に森を育て得るか。
物流の集積体の市街地街には、この心の森が育たない。
花壇のように空き地、空き室の移植土壌が用意されて埋まるだけ。

*西田卓司展「ワーキングフロー」-8月24日(火)-9月12日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊。
*谷口顕一郎展ー9月21日(火)-10月3日(日)
*昆テンポラリー展「札幌の昆虫を素材に」-10月12日(火)-24日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-9斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2010-08-31 12:12 | Comments(0)


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