テンポラリー通信

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2010年 08月 26日

バーチヤル現実ーハルニレの羽(12)

西田卓司さんが夕刻来廊。
2階回廊壁にさらにコラージュを増やし貼り付ける。
この切れ切れの古今東西、あらゆるジャンルの紙情報を
見ていると、やはりスーパーの食材売り場を想起する。
切り身の食材、果実、根菜、葉もの、調理されたパック采。
現実は加工され、パックされ、調理され、生身のリアルは見えない現実。
近くのものがリアルから遠く、遠くのものがリアルに感じる事とも関係ある
のかも知れないと、ふと思った。
手で触れる身近な現実はすごくバーチヤルな現実で、
本当にリアルなものは、遠くにある。
そんな都市環境、そんな地球環境を我々は生きているのかも知れない。
何故なら大規模地下通路建設の方が身近で、同じ身近な自然緑の運河
エルムゾーンは、日常眼線からは遠い位相にあるからである。
清華亭?伊藤邸庭?そんなの在った?というのが卑近な現実感覚である。
ここに立つ一本の巨樹の時間の重さ、積み重ねのリアリテイーよりも
ある意味バーチヤルな地下通路の側に卑近さを感じてしまう現実感な
のだ。そうした虚構の現実にアート菌が蔓延っている。
真のリアルを我々自らが取り戻す闘いを抜きに、この街の再生も文化も
有り得ないと肝に銘じなければならない。
今回の西田卓司展は、そうした圧倒的な都市のバーチヤルリアリテイー
の現実に対し、同じ視座から現実を再構成しようとした果敢な試みである
と思える。
ここから囲繞する私たちの現在を対自化し、凝視する時間が熟成されて
いく。
西田卓司の会期中の時間は、その為に費やされ次なるステップへと
発酵していく時間となるだろう事を、私は願う。

*西田卓司展「@ワーキングフロー」-8月24日(火)-9月12日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2010-08-26 13:51 | Comments(0)


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