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テンポラリー通信

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2010年 07月 10日

佇むー森の記憶(3)

写真家の藤倉翼さんが来る。
文月悠光さんを撮った写真を頂く。
コダックのもう発売中止となった印画紙だそうだ。
東京へ行く前の不安と期待がその表情に出ている気がする。
艶消しの画面に、新緑が美しく若い女性の心が映える。
その後雑談に興じて、心の毒が抜ける。

午後森本めぐみさんが来る。
「なみなみとして、もつ」を2階吹き抜け正面に展示する。
その吹き抜けの1階真下には、大野一雄の「石狩の鼻曲がり」の
デッサンが譜面台に置いてある。
あの時の夕陽の写真も添えた。
1階正面壁は、ラ・アルヘンチーナ頌の舞台ポスターが並ぶ。
艶やかなアルヘンチーナの笑顔に、大野先生が小さく胎児のように踊っている。
さらに南窓際には、多くの資料ファイルとともに、そっとカムチャッカの案内本を
置いた。頁は開いて、羆と紅鮭の写真が拡がる。
北側の壁には大野慶人さんとの共演ポスター「睡蓮」外を展示。
題名の文字が、中川幸夫、郡司正勝、緒方拳と多彩で力強い。
その前に石狩河口公演時の先生直筆の舞台スケッチを広げる。
赤と緑のマジックインクが、生々しく艶っぽい。
2月と同じ資料だが、今回は展示構成を変え、さらにはやはりもう先生がいない
という喪失感が、見え方を別のものにしている気がする。
この展示は、私なりの「カムチャッカ・みちゆき・大野一雄」への、
この場における追悼である。
これは世界広しといえども、此処でしか出来ない展示なのだ。
入口すぐ右手の小部屋には、かりん舎発行の記録集を積む。
11年後に出版された貴重な労作である。
その周りに公演当時使ったポスターを張り巡らした。
岡部昌生のデザインで、あの時の夕陽の色、光3原色で構成されている。
さらに本を置いた高台下に、当時の正規の入場券と半券を添える。

もうこれからそんなに、こんな展示をする事はないかも知れない。
再度作品を展示させて頂いた森本めぐみさんに、深く感謝したい。
時空を超えて、大野一雄の石狩は甦ったのである。
時に佇み、世界は染入る。

*追悼・大野一雄展ー7月9日(金)-18日(日):am11時ーpm7時
 月曜定休・休廊。
*唐牛幸史展「REPUBLIC」-7月20日~展示準備作業。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-07-10 12:12 | Comments(2)
Commented by nishikawa at 2010-07-10 18:31
先日は貴重なお話ありがとうございました。大野一雄さんの追悼展に伺えないのが残念で仕方ありません。東京でもいろいろな場所で追悼という形で過去の映画が再上映されたりしているようなので足を運びたいと思います。森本さんの作品も見たかった。テンポラリースペースという場に引き寄せられたこと幸せに思います。ではまた。
Commented by テンポラリー at 2010-07-11 11:37
nishikawaさま>ありがとうございます。私もお会いでき嬉しかった
です。「カムチャッカ・みちゆき・大野一雄」見て欲しかったなあ。


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