2010年 07月 09日
まだ疲れが残っている気がする。 今週は先週までのアクシデントの心の後遺症が残る。 とはいえ、昨日追悼・大野一雄展飾り付け終了。 今年2月「大野一雄頌」として、森本めぐみさんの新作と併せて 展示したのだが、今回はあらためて6月1日逝去された大野一雄を 追悼する試みである。 展示を終えてパソコンを開くと、東京在住のFさんから着信がある。 現在銀座で展示中の吉増剛造展への誘いのメールだった。 14日に大野慶人さんと吉増さんの対話イヴェントがある。 その日ボーイフレンドのO君も来るから、有楽町で一緒に待ち合わせ しないかという内容だった。 大野先生の自宅へお線香をあげに行き、その際吉増展を見てと考えていた。 さらに慶人さんと吉増さんの対話もと心は跳んだが、 あまり一度にも、と思い返していた。 Fさんのお誘いは、夢のような、わくわくした気持ちになるものだったが、 ここはここで静かに大野先生を札幌でひっそりと追悼したいと思い返した。 今週は東京のAさんの写真展が中止になって、ぽっかり空いた時間である。 慶人さんと吉増さんの対話に出れば、私はきっと石狩河口公演後の 大野先生の果たされなかったカムチャッカ行きの夢を、道行きとして 語るだろう。 原題の「石狩の鼻曲がり」を、敢えて「石狩・みちゆき・大野一雄」と 改題した私の我儘な思いを黙って許してくれた大野一雄を熱く語るだろう。 石狩以降のさらなる思いは、その事において今も心に続いている。 <父の再見>。大野一雄が戦後初めて触れる事の出来た<父の復権> を熱く語るだろう。 その思いを一緒にカムチャッカへと繋げる事は、もう叶わなくなった。 その原点とも言うべき石狩河口公演記録展を、今ここで展示する事は、 私にとっての、せめてもの大野一雄追悼という<みちゆき>でもある。 それはやはり東京ではなく、ここで今追悼すべきであると思うのだ。 <石狩・みちゆき・大野一雄>は、本当は引き続き <カムチャッカ・みちゆき・大野一雄>として、一緒に先生の父祖の海 を経て、果たすべき道程だったと今も思っている。 それは私があの時、大野先生に思わず語りかけた、”先生、一緒に石狩へ 行きましょう!”の言葉に全身全霊で応えて頂いた事への、私なりの返礼 でもあるのだった。 <カムチャッカ・みちゆき・大野一雄>は、果たされなかった大野先生へ の敬意と尊敬の心からなる返礼である。 先生の長い人生上で再発見し取り戻されようと為された<父>の位相を、 私は同じ時代を生きた証(あかし)として、もう一度一緒に<みちゆき>の 道程を歩みたかった。 先生との<石狩・みちゆき>は振り返るように懐かしむものではない。 新たな道行きの一道程だったのである。 まさか「石狩の鼻曲がり」のあの舞台全体が、匂いから何から全部生きて、 クマまで引きずって、もっと北へ行かれて、カムチャッカにまで行って、 そして今度は翻ってくるようにニューギニアの水母の輪の下の水葬の、 死んでいった方々への哀悼になってくるという、ダイナミックな広がりに なろうとは思わなかったですね。(吉増) はい。(大野) 対談<石狩ーカムチャッカ>生と死の舞踏 大野一雄・吉増剛造 1999年8月号「FRONT」誌最終行から抜粋。 *追悼・大野一雄展ー7月9日(金)ー18日(日)am11時ーpm7時。 月曜定休。 *唐牛幸史展「REPUBLIC」-7月20日~展示準備。 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向 tel/fax011-737-5503
by kakiten
| 2010-07-09 12:41
|
Comments(0)
|
アバウト
カテゴリ
以前の記事
2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 お気に入りブログ
リンク
その他のジャンル
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||