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テンポラリー通信

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2010年 07月 03日

涙するー木霊(こだま)する(28)

アキタヒデキさんの友人というMさんが見えて、話する。
切っ掛けは、2階吹き抜けベンチで横になり寝ている姿を見たからだ。
気持ちいいですか、と声をかけたのが始まりである。
なにか落ち着くの、と応えて会話が始った。
その日はもう閉廊時間が近く、可愛い自転車でMさんは帰った。
翌日気が付くと、大きなリュックが置いてある。
あれ、これは誰のかと思い、Mさんのだなあと思う。
その日午後慌てた顔をしてMさんが飛び込んで来た。
やはり彼女のものだった。
作家のK氏が来て話し込んでいた最中なので、リュックを確認して
もらい話を続けた。
K氏が帰って不図見ると窓際に腰を下ろし、Mさんがまだ居た。
それから奥の談話室で色々と話を聞いた。
介護の仕事をしていると言う。
午後6時からまた仕事があるので、それまで時間があるという。
ずっと気になっていたといって、書棚の上に飾られているムラギシの笑顔の
写真を指さし、これは誰?と尋ねられた。
ムラギシの本を見せ、22歳で事故死した濃い人生を話す。
そのうちみるみる眼が潤み出し鼻声となる。
感受性の強い人である。
思い立って、有山睦さんたちの演奏したムラギシ曲「撓む指は羽根」を聞かせた。
これはこの本に納められているCDから、自分たちのジャズに取り入れて
再生した演奏ですと、解説した。
鼻水は止まらず、演奏終了後小さく拍手をしてくれるMさんだった。
そして、この本を購入したいと言ってくれた。
聞くと本人もドラムとヴォーカルの演奏活動をしているという。
ムラギシと同じ年齢だと呟いた。
仕事の始る時間近くまでいて、Mさんはまた来ますといって
可愛い自転車で少し太めの後姿を見せて帰って行った。
あっ、少し太目は余計だった。
豊かで魅力的な後姿と言い換える。

三角展が二角展のようになって3人の企画による「パラダイムシフト」展
もあと残り二日なる。
先週同様土日の今日明日は、アキタヒデキさんが在廊予定だ。
この展示が切っ掛けとなって、Mさんのような人が新たな出会いを
用意してくれる。
作家は出来得ればその機会を多く持つ方が望ましい。
だがメタ佐藤さんは東京で仕事に缶詰中、他のふたりも程度の差こそあれ
仕事が続く。
先週は特に作家が誰も居ない初日に始まり、週末土曜日午前中の竹本さん、
昼から在廊のアキタさんと、ダブルヒデキの日にアクシデントが起き、
残念な二週目となった。
実力ある3人だけに、今後も写真家集団三角の企画展を写真誌ともども
続けてくれる事を願うのだ。

*写真家集団三角展「パラダイムシフト」-7月4日(日)まで。
 am11時ーpm7時。
*大野一雄追悼展7月9日(金)-18日(日)
*唐牛幸史展ー7月20日~展示準備。

 テンポライリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-07-03 12:22 | Comments(0)


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