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テンポラリー通信

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2010年 06月 18日

綿毛飛ぶー木霊(こだま)する(15)

朝、昨日とはうって変わって快晴。
エルムトンネルの森、白い繊毛が顔にぶつかる。ポプラの綿毛か。
タンポポの綿毛も飛んでいる。
植物たちの盛んな生殖活動を感じる。
匂いも乾いた草息れ。
新緑の眩しい輝きと、濃い息。
昨日の雨が一層植物たちを輝かせている。
草息(いき)れ、射(い)きれ、活(い)きれ!
このところ今いちだった胃(い)の調子も、なにかすっきりとする。
自転車漕いで、汗かいて、お粥だけの胃も大分楽になった。

アラスカで知り合ったという西牧さんの友人が、東京から訪ねて来る。
日帰りという。
明るい性格で人に好かれるのだろう、西牧さんの初日、人が絶えない。
昨日は一日曇天で、光の射さないのが残念そうだったが、今日からは
晴れが続くようだから・・、と笑顔を見せる。
色彩の彩とは、木にいろどる事を意味するという。
光が射して、色彩を生む。

さっぽろ文庫15巻「豊平館・清華亭」を古本屋で買う。
時計台、豊平館、清華亭は、明治初期の洋館を代表する建物だ。
しかし、元のままの場所に在るのは清華亭だけである。
時計台も当初の場所から移動し、豊平館に至っては大きく
その場所を移転している。
元のままの場所に立つ清華亭の数奇な運命を知る。
この受難の建物の運命は、そのまま札幌の都市環境の変遷
そのものでもある。
じっと同じ場所に立ち辛苦に耐えてきた清華亭は、庭に立つ
春楡(エルム)の巨樹と同じように、
時代の荒波を潜り抜けてきたのだ。
かってこの洋館は、花屋敷とも呼ばれていたという。
清華亭の<華>には、そんな思いも当初からあったのかも知れない。
<清>は、きっとそこに湧いていた泉の記憶でもあるのだろう。
歴史を知り今を考える時、この洋館の東南にO簿記、Yカメラ、Yゼミ等の
現代を代表する企業の高層ビル群が、陽光を遮るように聳え立つている
のが象徴的である。
この浮島のように孤独なゾーンを再生するには、歴史に学んでいえば
<花屋敷>として復活させるのが一番正統な在り方のように思える。
この都会の浮島のような場所は、それ自体がひとつの花器のようなもの
かも知れない。
水を揚げ、大切に活ける事。
それが水脈を切り、森と泉を喪失させた人間の知恵であるだろう。
活(い)けるのだ、再生の為に。
入(い)れるのではなく。

*西牧浩一版画展「光景が移り変わるように」-6月20日(日)まで。
 am11時ーpm7時。
*写真家集団三角展「パラダイムシフト」ー6月22日(火)-7月4日(日)
 竹本英樹・メタ佐藤・アキタヒデキ3人展

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-06-18 12:35 | Comments(0)


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