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テンポラリー通信

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2010年 06月 06日

清華亭の再生ー木霊(こだま)する(5)

時計台の敷地に黒百合を植えたり、エンレイソウを咲かせたり
喪われた野の花を再生しているK氏が来た。
彼は東区役所時代にも、亜麻の花の再生にも取り組んでいる。
現在この亜麻ロードは、見事な美しい青い花を咲かせ地域の人たちに
喜ばれている。
亜麻は明治開拓期製麻会社が盛んに栽培したものである。
その後製麻は廃れて忘れ去られていたが、その亜麻を花として再生し
たのが、亜麻ロードである。
当初の製麻の目的とは異なるのだが、亜麻は花の美しさとして見事に
再生された。
そのK氏が今取り組んでいるのは、文化財としてある明治期の建築物を
当初の官の占有物から札幌固有の風景として再生させる事である。
そのひとつの顕われが、時計台の敷地に本来固有に咲いていた野の花を
再生する試みでもあるのだ。
さらに大手予備校や電気量販店の裏にひっそりと佇むかっての貴賓の為の
館、清華亭の再生にもその情熱が向けられている。
清華亭は植物園、伊藤邸、北大構内を結ぶサクシコトニ川の源泉のあった
処で、明治天皇も宿泊した場所であるという。
そこを牡丹と藤の花で囲み、風景として再生したいというのが彼の願いである。
そのK氏が阿部守さんの作品を見て、清華邸の庭にあるハルニレの大木を
想起したと語る。
あのハルニレの傍に是非置きたい。
阿部守の作品は私も、一度野外に置いてみたいと思っていたので
この話には共感する事が多かった。
ハルニレの木の下に草と花に囲まれて、和洋折衷の洋館を背景にした時
この鉄の赤錆びた柔らかな作品は、絵になると思えた。
四季折々この鉄の作品は、この場の時間をその赤茶けた肌に刻んでいく。
過去の華やかな歴史の追憶だけでなく、今を再生した時間がこの時生まれる。
さらにはかっての森と泉と川の記憶がこの洋館が再生する事で、ゾーンと
して甦るのである。
道庁赤レンガ前庭ー植物園ー伊藤邸庭ー清華邸ー北大構内と本来の森と泉の
繋がりが再生される、起爆剤になる可能性を思ったのだ。
過去の文化遺産が現代の美術作品を経由して再生する。
そんな夢をふたりでその後も熱く語り合ったのだ。

*阿部守展ー6月1日(火)-13日(日)am11時ーpm7時。月曜定休。
*西牧浩一版画展「光景が移り変わるように」-6月17日(木)-20日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-06-06 13:59 | Comments(0)


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