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2010年 05月 28日
何気なく外を見ていたら、前に自転車が止まり ふと見覚えのある顔が見えた。 藤谷康晴さんだ。 あれっ、大阪では?と一瞬思う。 個展は続いているのだが、仕事の関係で昨日帰札したと言う。 早速向こうでの様子を聞く。 大阪・京町堀・AD&Aギヤラリーでの初個展「超空間」-6月2日まで。 首尾は上々という感じの明るい顔だった。 何かが抜けたなあと思う。 一日京都を歩き回ったと言う。 修学旅行以来というが、全然印象が違う。 寺院、画廊と色々刺激を受けたようだ。 個展の反応は、吃驚した人、感心した人、分からないという人。 ここで最初に発表した「一番街」の細密なビル群も展示し、 今までの集大成だったようだ。 関西の人たちには、きっとセンセーシヨナルな展覧会だったと思う。 無機質なビル群と濃厚な情念のドローイングは、正に大阪の現代の 都市風景と関西の伝統的情念に心の奥底で合致するものを 孕んでいるからだ。 日本の欧州ともいえる長い歴史風土を保つ関西は、 東京を中心とする米国型現代都市風景とどこかで拮抗する精神土壌 が濃いからである。 藤谷さんの作品は、その両方の要素を濃く秘めた作品である。 なによりも作家自身が初の大阪個展滞在で大いなる刺激を受け、 触発されているのがよく分るのだ。 帰る間際ぎりぎりで、私から連絡した京都在住の作家Aさん にも会えたと、嬉しそうに話してくれた。 Aさんとギヤラリーのオーナーの小西さんには映像を依頼してある。 先日来たかりん舎の方たちも見たいと言うので、 いずれ藤谷さんも交えて映像を見ながらささやかな 打ち上げをしたいと思う。 今回現場に立ち会えなかったから、せめてもの今でき得ることである。 昨日の道新夕刊に、敬愛する美術評論家加藤玖仁子さんの クリスト夫人ジヤンヌ・クロードさんの追悼記事が掲載されていた。 今年2月にニューヨークで行われた追悼会に招待され出席した時の 旅の回想である。 この記事は毎週木曜日4回に渡って連載の予定とある。 加藤さんとクルスト夫妻の長く深い交友史が綴られていくに違いない。 加藤さんからここの開廊祝いに頂いたクリスト夫妻のサイン入りの 「ザ・ゲイツ」のポスターは今も大切にここに飾ってある。 クリストとは何故か不思議な縁を感じてもいる。 本人とは一度も会ったことはないのだが、初期のフロリダ半島マイアミ沖の 11の小島をピンクの布で取り囲む1981年プロジェクトの際使われた ピンクの布の一部を私は所有している。 これは当時現場で撮影した写真家の安斎重男氏から頂いた物である。 この時私は「燃える街角・器の浪漫」を旗印に円山北町へ移転した ばかりの頃だった。ひとつの人生上の節目の時である。 今回も現在地へ移転し、さらなる節目として札幌の原風景を深く考えて いた時起きたのが、札幌の原風景を色濃く遺す伊藤邸の高層ビル化の 問題である。 この時ふっと脳裏に浮かんでいたのは、クリストである。 いずれ加藤さんにも相談依頼しようと思っていたのは、 道庁前庭・赤レンガ庁舎ー植物園ー伊藤邸ー清華亭ー北大と 森と泉の記憶を取り囲むプロジェクトの構想である。 そこまでやらなければ、新幹線・高層ビル化には対峙できない。 貧しい移民の子としてアメリカへ渡ったクリストならきっと解してくれる筈だ と、不思議と信念のように思ったのである。 United Dreams of America、そして The Republic of Dreams in Sapporo の構想が脳裏を駆け廻っていたのだ。 加藤さんの文を読みながら、沸々と今その想いは湧き起こってくる。 妄想と笑う向きもあるだろうが、それがdreamsというものである。 再生すべきは、そのAmericaという理念なのだ。 何故なら私たちの時代の始まりには、戦後間もなくに書かれて 一度は詩集から消去された鮎川信夫の次の詩行が今も深く時代の 根底に響いていると思うからである。 ・・・・・・ 「アメリカ・・・」 もっと荘重に もっと全人類のために すべての人々の面前で語りたかった 反コロンブスはアメリカを発見せず 非ジェファーソンは独立宣言に署名しない われわれのアメリカはまだ発見されていないと (1949年・鮎川信夫「アメリカ」) *梅田マサノリ展「マニノ・アル・シツナイ」-5月30日(日)まで。 am11時ーpm7時。 *阿部守展ー6月1日(火)-13日(日) *西牧浩一版画展「光景が移り変わるように」-6月17日(木)-20日(日) テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1ー8斜め通り西向 tel/fax011-737-5503
by kakiten
| 2010-05-28 12:47
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