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2010年 05月 26日
夕張メロンを支える養蜂家の悩みをTVで見ていて、昔一発ヒットの フォークソングを思い出していた。 確か、♪ハチのムサシは死んだのさ~ という歌詞だった気がする。 若い人に聞いたが誰も知らなかった。 さればと、同世代と思しきM夫人に聞いたら覚えていた。 でも私よりずっと上の世代よ、と仰ったが、まあ一応ワンジェネレーシヨンは 30年単位ですからとなだめた。 この歌は出だしの歌詞以外は忘れたが、TVの養蜂家のドキュメントは メロンの花粉を仲立ちする蜂が減って受粉が停滞する為、沖縄まで蜂の養蜂 先を探しに出掛けているという話だった。 また最近の宮崎の肉牛騒動も、人間社会と他の生物との関係性を痛く考え させられる事件である。 まるでこの事件は、牛世界のアウシュビッツのように感じさせる。 純粋種を守ると称して大量虐殺をするエゴである。 この場合の純粋種とは、ドイツ国家のそれではなくグルメの食の純粋種である。 ビールを飲ませたり、さまざまな手法で霜降り肉を育て人間の食を満足させる。 それがブランド化し経済価値を高める。 民族差別、人種差別と同じ構造の、肉牛の差別化である。 この差別は、自然の有機的な関係性に基づくものではない。 区別・差別・ブンベツ・分断に至る人間の優劣を決める価値観によるものだ。 グルメの事を美食家ともいう。 享受する側の<美>とは何か。 <美>という観念ほど、曖昧で独善的なものはない。 美←→醜という区別・差別は形を変え至る所に満延している。 清潔←→不潔。安全←→危険。勝ち組←→負け組。中央←→地方。 この二元論は単純で分り易いが、同時に一元的な決め付けをも生む。 境界が線引きとしてしか働かず、ベルリンの壁のように分断するのである。 美食を追いかける人間のエゴは、牛という生物に対し<美>食の一線で 生命の有機的存在を断ち切るのである。 そういうシステム、構造に肉牛を取りまく社会構造が構築されている。 動物という生き物と人間という生き物の自然な関係性は否定されて 成立している構造だからである。 かって馬や牛と人間との関係は、牛馬頭観音に見られたように生き物同士 の感謝の関係性が生きていた。 何時から人間社会は、牛も馬も犬さえも<美>の対象に仕立てていったのか。 犬を愛玩用のペットに仕立ててきたのも、可愛いとかいう一種の<美>である。 そしてそこに経済が絡み高値で取引される。 独裁者の豪勢な住居や装身具もすべてこの<美>という驕りである。 そうした巨大な独裁者の驕りが、今は個の分野にまで満延して みんなが<美>の驕りを日常的に有するようになっている。 その小さな個が多くの数を重ねる事で、ひとりの独裁者以上にその 驕りを社会全体、地球全体に波及させている。 肉牛の大量虐殺とは、その人間社会の<美>食意識が生む食の アウシュビッツなのだ。 それは牛だけに止まらず、もっと小さな生き物にも及んでいる。 森にも海にも及んだその驕りは、冒頭に記した蜂の減少にも顕われて いると思える。 今だ止まらないメキシコ沖の海底油田の流失も、石油という地球のリンパ液 のようなものを大量に吸い出して、快適で<美>的な生活に利用する必要 からきた結果である。 <美>という概念を今こそ根本から問い返す必要がある。 <美>の追求を天職とする美術家芸術家こそ、この現実と厳しく対峙 すべき立場にある。 安易に快適に流れる<美>の保つ恐ろしいエゴの牙を見抜き、 差別化の境界として閉じる世界から、真に開かれた美の有機的な界(さかい) に再生するのは、芸術・文化が保つ正統で真っ当な真の役割と思う。 その意味でも、自らの癌手術体験から、その摘出された内臓のように陳列 されたオブジェを人の気配と共に有機的に甦らせ、作品として構成した梅田 マサノリ展は、<ブンベツ>の断絶世界を有機的に再生させようとする 身体宇宙への祈りとオマージュに貫かれた作品世界と思えるものだ。 *梅田マサノリ展「マニノ・アル・シツナイ」-5月25日(火)-30日(日) am11時ーpm7時。 *阿部守展ー6月1日(火)-13日(日) *西牧浩一版画展「光景が移り変わるように」-6月17日(木)-20日(日) テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向 tel/fax011-737-5503
by kakiten
| 2010-05-26 13:01
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