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テンポラリー通信

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2010年 05月 16日

黄色の黄ー青き繁みに(14)

陽射しが高くなり、暖かな日が続く。
これこそ5月。
路肩の土の緑が濃さを増し、そこにタンポポの黄色が眩しい。
やはり北には黄色がよく似合う。
光3原色、古代の4色。どちらにも黄色はない。
さらに黄色はそれだけを取り上げると、あまり好かれる色でもない。
しかしこの季節の風景で見る黄色は、一番勢い良く美しく感じられる。
漢和辞典で黄を調べてみた。
古字で、上部の字は火が多いこと、火の盛んなこととある。
光の古字。また色のこと。下部の田との合字。
田は土を表すから、やはり光と土に縁の深い色という事になる。
残雪の汚れた土の中から福寿草の最初の黄が顕われ、
新緑と濃い土の中からタンポポの黄が彩る。
まさに光と土の中から、黄が生まれている。
光が濃くなり、暖かさが増す。暖かさは太陽の火である。
太陽は赤という字の元でもあるから、黄色には太陽がそのバックボーン
にある事になる。
黄は実は北の国の太陽の色、赤なのかも知れない。
木々の保つ赤は、朱というともいう。
血の赤もそうした朱の方で、蜘蛛も虫偏に朱が付く。
赤が好きで黄色が嫌いという人も多いが、この人は朱が好きなので、
赤という光の側の黄を見ていない。
黄昏(たそがれ)も光の側の黄である。
黄泉の国の黄も光である。
朱の側の黄色は濁ったり、薄まったりした黄であるから、
光の側の黄とは違うように思える。

たんぽぽの黄金色に輝く黄は、まさの太陽の黄だと思う。
これから向日葵の黄も輝く季節になる。
赤は冬を表わす玄という字にも潜んでいて、
実は光の赤は秋・冬の色かも知れない。
我々はいつの間にか英語圏のyellowの色彩観に影響されて、
黄色を誤解しているのではないだろうか。
因みに英語でyellowは皮膚の色、臆病、黄だん、嫉妬とかマイナーな
意味が多い。
不当に黄が陥っている意味を、タンポポの黄色は断固として拒否する。
それが北の春の声だ。

*「交差線」4人展ー5月18日(火)-23日(日)am11時ーpm7時
*梅田マサノリ展「マニノ・アル・シツナイ」-5月25日(火)-30日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-05-16 12:20 | Comments(0)


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