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テンポラリー通信

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2010年 05月 09日

寒い五月ー青き繁みに(8)

風冷たく寒い五月。
しかし確実に世界は色づいている。
競馬場脇の柳の大木も薄緑の葉を纏いだした。
その手前の桜も仄かに紅色。
舗道の亀裂が車輪を揺らす。
亀裂の方向に見えない川の痕を感じて、自転車のハンドルを曲げる。
エルムトンネルの上の小さな牧場には、まだ牛も馬も姿を現さない。
走る人がいる。犬も走る。
ハルニレの大木が風に揺れて、遠くの山並みから遠い海のほうへ
川のように風も流れている。
梢が光を求めて空に根を張るように、根は水を求めて地に梢を伸ばす。
風は大気の中の流れ、川は地中の流れ。
川の流れるところに、風も流れる。
埋め立てられた川の上を、風が吹く。
木がそれに応える。
彼はふたつの世界を繋いで立っているからだ。
彼女はふたつの世界に触れて立っているからだ。
その間を自転車が走る。
車輪の揺れ、髪を揺らす風。
その震えにふたつの世界を感じて、人間がいる。

マイルスデーヴィスの「ピッチエズ・ブリュー」を聞く。
有山睦さんから借りた「マイルスの夏、1969」(中山康樹著)に触発された。
ジャズとかロックとかジャンルの問題ではない。
マイルスのトランペットはもう風そのものの疾走。
そして大地の脈拍。
そんな気がする。
音楽の保つこの直接性は、ただただ身を委ね走ることにも似ている。
時に必要、時に麻薬。

明日は晴れても曇っても山歩き、花巡りに歩こう。

*「交差線」4人展ー5月18日(火)ー23日(日)
*梅田マサノリ展「マニノ・アル・シツナイ」-5月25日(火)-30日(日)
*阿部守展ー6月1日(火)-13日(日)
*西牧浩一展ー6月18日(金)ー20日(日)
*「三角写場(仮称)」展ー6月22日(火)-7月4日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-05-09 12:42 | Comments(0)


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