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テンポラリー通信

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2010年 05月 01日

「撓む指は羽根」の再生ー青き繁みに(2)

5月最初の訪問者は、長崎からの声の訪問だった。
声の主は、昨年2月沖縄で初めて出会った岡部ケンジくん。
その後昨年12月目黒美術館「’文化’資源としての<炭鉱>」展で再会。
その時見た長崎の軍艦島の見える丘の上にいると言う。
ふらりと長崎に来て、偶然知り合った娘さんに、案内されたという。
そこでふと私を思い出したのだろうか。
沖縄ー目黒ー軍艦島と繋ぎ、心は北へと跳んだのか。
案内してくれた娘さんに淡い恋心を抱いたと、ちらりと話す。
新婚旅行で札幌へ来いよと、茶々を入れる。
彼は昨年春H製作所に就職。沖縄に卒業旅行で友人と訪れ、
偶然出会った私に美術家豊平ヨシオさんの作品を吹聴され、
翌日豊平さんのアトリエを訪れ、作品に感動し涙を流した。
それからの友人である。

先日、貸したムラギシ曲「撓む指は羽根」の有山睦さんたちの演奏CDを
返却に、かりん舎のふたりが訪れる。
今アメリカにいるムラギシのお兄さんにも聞いてもらいたく、送ったという。
そのお兄さんからの喜びの返事、メールコピーも添えてあった。

昨日中嶋幸治さんのブログに、先日某ライブハウスで演奏された有山さん
たちの動画が載っていた。
映像の切れも良く、なかなかの傑作と思う。
自宅のあるマンシヨンから空と路上を交互に挟みながら、演奏シーンが
フラッシュバックする。
中嶋さんの新たな表現領域が開拓されたように感じ、電話する。
するとこのライブ映像の演奏曲は、ムラギシの「撓む指は羽根」だという。
私のパソコンは旧式で、音が出ない。
そうか、と吃驚した。
実に良い演奏だった、それで初めて録画し編集してみたのだと言う。
有山さん自身が、この曲を通して変化してきている。
もうこの曲はムラギシを離れて、有山さん自身の曲になっている。
そんな感じがしたという。
私もそれは感じていたが、こうも生前の村岸宏昭を知らない人たちが、
彼の楽譜から立ち上がり、作品としてムラギシ化しているのは、
もう事実といえるものだ。
かりん舎という出版社の坪井さん、高橋さんのふたりも、ジャズのドラム奏者
有山さんも生前生身の村岸宏昭には会っていないのである。
作品だけが、純粋に村岸宏昭をムラギシたらしめている。
有山さんたちの演奏を動画に構成した中嶋さんもまた、生前の村岸を
知らないのだ。
遺された作品が、こうして人を繋いで生きている。
今夜その有山さんたちと先回の「空・地・指」展の打ち上げがある。
今年1月、ここで制作された森本めぐみさんの大作から、今村しずかさん
の新しい曲が生まれた。その初のソロ公演に尽力したのは有山さんである。
その流れは、「空・地・指」3人展にも今村しずかライブとして繋がったのだ。
これらの動きは、様々に人が作品を媒介に交錯しながら、時にジャンルを
超え、感性のキャッチボールしている所以なのだ。
そこには死者も生者も、作品が仲立ちして影響を与えている。
そしてその渦はまた次なる渦に連鎖する。
このところ連休中も含めここの展示は無いのだが、休みに関係なく
人と人の小さな渦は磁場となって、今日以降も続く。

*「交差線」-5月18日(火)-23日(日)
*阿部守展ー6月1日(火)-13日(日)
*西牧浩一展ー6月18日(金)-20日(日)
*「三角写場(仮称)」-6月22日(火)ー7月4日(日)
*イシマルアキコ展ー7月6日(火)-11日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-05-01 13:17 | Comments(1)
Commented by ゆかり at 2010-05-02 14:59 x
歩きの件、みんなOKでした!当日はよろしくお願いします。


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