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テンポラリー通信

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2010年 04月 14日

昆・テンポラリー-早春賦(8)

藤谷康晴展初日夕、4人のKが訪れる。
昆テンポラリー展打ち合わせの初会合だ。
昆虫学者の木野田君公氏、企画を持ち込んだK氏、彼の上司で
木野田さんと同窓のKさん。さらに展示構成に優れる河田雅文さん。
木野田さんとは初対面だったが、展示中の藤谷作品をじっくり見て、
予想通りその際密な描写に関心を示す。
昆虫のミクロの写真を撮る彼の眼線は、領域こそ違え、ある共感を
保っているのが推測される。
さらに奥の喫茶室で話は進む。
段々に心がほぐれて、素材を提供し自由に別の観点から展示構成を
期待するわくわく感が、木野田氏の目に溢れてくる。
あっ、こんな見方もあるのだと期待する気持ちが、河田さん私にと向けられ、
もう初対面の硬さは無くなっていく。
閉廊後しばらく話は続き、場所を変え近くの居酒屋Yへと向かう。
ここはオホーツク文化、アイヌ文化の学究宇田川洋さんが経営する
居酒屋である。
いつも座る奥の座席は満員だったので、カウンターに横一列に座る。
途中から宇田川さんも話に加わり、宇田川さんが南区の豊羽鉱山近く
で生まれた事を初めて知る。
小さい頃は捕らえた小熊と遊んでいたという。
その熊の写真も見せてくれた。
シテイーボーイの私には同じ札幌とは考えられないと言うと、
やあ、カントリーボーイですよと応えた。
私は口には出さなかったが、カントリーどころか、
マウンテインボーイじやんかと思った。
宇田川洋さんは、山田秀三の「常呂の地名標識」という一文にも
実名で登場する。
当時東大常呂研究所に居られて、学者としてオホーツク文化、
アイヌ学の研究をしておられたようだ。その著書類も店内の片隅に置いてある。
退官後は念願の多くの人との触れ合いを目的として「ゆかり」という名の
縁を繋ぐ場所を居酒屋として開業したそうである。
木野田さんはすっかり寛いで、蜻蛉の顔の話をし出した。
顔がみんな違うという。同じ種類の蜻蛉でも個々の顔はそれぞれ違う。
顕微鏡で見て、写真にアップするとよく解ると言う。
これは素描で、あのピーナッを描いた森本めぐみさんに描いて貰おう
とK氏が提案する。
写真だけだと、どうしても平板になる。まして拡大コピーだと尚更である。
素描が良い。
落花生の殻を抓む指先を描いて、ある新境地を開拓しつつある森本さんに
蜻蛉の顔を描いて貰うのは、人間の顔を描くよりもっと面白い。
遅れて岩見沢から駆けつけてくれた森本さんにも、早速その話を
持ちかけ、快諾を得る。
その他色々話は跳んだが、概ね第一回の打ち合わせは、わくわく、ドキドキ
げらげらと楽しく進んだ。
会期は同じ昆虫好きのドイツの谷口顕一郎さんの個展後あたりを目途に
9月後半となる。
さらなる打ち合わせを重ね、次回は昆虫そのものを見せて頂く事にした。

藤谷康晴さん個展初日は、風速30メートルの大荒れの一日だったが、
昆テンポラリー初会合は、外の嵐に関らず、熱く少年のような強風が
4人のKを中心に吹いた時間だった。

*藤谷康晴展「ANALOG FLIGHT SAPPORO→」
 4月13日(火)-25日(日)am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-04-14 12:32 | Comments(0)


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