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テンポラリー通信

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2010年 04月 10日

昆虫の世界ー早春賦(5)

友人のKが来る。すごい昆虫学者がいるという。
それで札幌の虫展をやらないかと提案する。
うん?これは意外だった。
札幌に固有種の植物がある事は知っていた。
昆虫ね、これは死角だった。
植物があれば、土がある。土があれば、虫もいる。
当然の事を突きつけられて、あっと思う。
札幌には固有の昆虫も沢山いるという。それらを集め、撮影し、標本にして
何十年という碩学の人と知り合い、興奮して是非展覧会を企画したいと
思ったと言うのだ。
都市化の片隅に今も生き延びている小さな虫たち。
遠い森の記憶。
時計台の敷地にそっと今年は黒百合を咲かせ、昨年はオオウバユリを
咲かせ、オオバナエンレイソウを咲かせようとしているKならではの発想
である。
早速もうひとりの友人Mに連絡する。
すぐに来てくれたMも、大いに乗り気となる。
川の映像をヴィデオ片手に自転車に乗り川中を走り撮影したMである。
共通の札幌論を今度は虫から展開する事に、即座に反応した。
デイスプレーワークに優れたMが展示アドバイスを引き受ければ、
これは誠に心強い。
単に昆虫標本の展示ではなく、土と共に生きる虫たちの札幌を展示する
のだ。
3日前に初めてその昆虫学者と会ったKは、その純粋な探究心、子供の
ようなきらきらした眼差しにすっかり魅せられ、どうしても自分の企画で
この展覧会をしたいと思い続けたという。
しかし一日置いて不安になり相談に来たのだ。
Mや私の共感を得て有頂天になったKは、前日までの心の不安、重荷
がすっかり払拭したと喜んでいた。
展示中ここの近くの北大構内を、フイールドワークする案も出る。
都市の下の未知の大地。その土の証人を虫を通して見詰め直す。
虫から見た札幌。そんなテーマを考える。
この日ご機嫌のKと夜は近くの居酒屋で美味い酒を飲んだ。
札幌には人間だけではなく、ものすごい種類の虫たちもまた住んでいる。
それは、この大地を構成する土という有機的な世界の証明なのだ。
そこから人間も植物も昆虫も生を与えられている。
虫の危機は人間の危機でもある。
命の多様性の中から、地球に触れる。
野、山、川、森、そして昆虫。
札幌、春ランランの企画である。
但し展示は夏以降になる予定だ。

*藤谷康晴展「ANALOG FLIGHT SAPPORO→」
 4月13日(火)-25日(日)am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-04-10 14:34 | Comments(0)


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