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テンポラリー通信

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2010年 03月 28日

出立の季節ー夢境(ゆめさかい)(25)

先日琴似川沿いを一緒に歩いたYさんが来る。
文月悠光さんと待ち合わせという。
程なく明後日東京へ発つ文月さんが見える。
小説を書いているという大塚軟膏くんと一緒だ。
学校は違うが、ともに有島武郎賞を受賞した仲だという。
Yさんは同年代の文月さんに興味があり、今日初めてご対面。
ふたりは上の吹き抜けベンチに腰掛け、なにやら話し込んでいる。
私は初対面の軟膏くんと奥で話す。
4月から東京に進学で、仏教哲学を専攻したいという彼の話を聞いた。
仏教といっても、僧侶になりたい訳ではない。
漱石とか近代の基底となった哲学を確かめたいらしい。
「則天去私」という漱石の言葉の意味などを話す。
話していて段々持論の近代論に熱が入った。
見ると軟膏くんの顔が紅潮している。
意外と心動かされていたようだ。
こうして10代後半の人たちが、今の大人たちよりはるかに基本的で
本質的な根っ子の問題に興味を保っている事に、勇気を貰う。
自らの際(きわ)さえ見えないブンカおとなが多い中、彼らの視線は
もっと目先の現象を超えて、余程大人の視座にある。
軟膏くんが下宿するという立川市、その奥多摩地方の話をする。
羽村市のまいまいず井戸、福生市と書いてフッサ市と読むアイヌ語との交感。
横浜へと続く絹の道、そこに渦巻いた自由民権運動の嵐。
さらには北村透谷の話、横田基地と吉増剛造と話題は続いた。
4月から住む奥多摩地方への視軸を、東京繁華街に吸い取られないように
彼の志向する近代との関係性を思ったからだ。
翌日マイミク申し込みのメッセージが届く。
現代短歌の山田航さんといい、軟膏くんといい、硬派の男が出てきて、
いいインスパイアーを貰う。

今日次回展示の藤谷康晴さんが来る。
ここでの展示の後、大阪AD&Aギヤラリーで個展という。
気合が入っている。
この時は大阪まで行かねばなるまい。
昨年1月のドイツ谷口顕一郎展以来の訪問となる。
あの時以来彼地のスタッフと会うのも楽しみだ。

*「触れるー空・地・指」3人展ー秋元さなえ・太田理美・森本めぐみー
 3月23日(火)-4月4日(日)am11時ーpm7時:月曜定休。
*藤谷康晴展「ANALOG FLIGHT SAPPORO→」
 4月13日(火)-25日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-03-28 14:25 | Comments(0)


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