先日琴似川沿いを一緒に歩いたYさんが来る。
文月悠光さんと待ち合わせという。
程なく明後日東京へ発つ文月さんが見える。
小説を書いているという大塚軟膏くんと一緒だ。
学校は違うが、ともに有島武郎賞を受賞した仲だという。
Yさんは同年代の文月さんに興味があり、今日初めてご対面。
ふたりは上の吹き抜けベンチに腰掛け、なにやら話し込んでいる。
私は初対面の軟膏くんと奥で話す。
4月から東京に進学で、仏教哲学を専攻したいという彼の話を聞いた。
仏教といっても、僧侶になりたい訳ではない。
漱石とか近代の基底となった哲学を確かめたいらしい。
「則天去私」という漱石の言葉の意味などを話す。
話していて段々持論の近代論に熱が入った。
見ると軟膏くんの顔が紅潮している。
意外と心動かされていたようだ。
こうして10代後半の人たちが、今の大人たちよりはるかに基本的で
本質的な根っ子の問題に興味を保っている事に、勇気を貰う。
自らの際(きわ)さえ見えないブンカおとなが多い中、彼らの視線は
もっと目先の現象を超えて、余程大人の視座にある。
軟膏くんが下宿するという立川市、その奥多摩地方の話をする。
羽村市のまいまいず井戸、福生市と書いてフッサ市と読むアイヌ語との交感。
横浜へと続く絹の道、そこに渦巻いた自由民権運動の嵐。
さらには北村透谷の話、横田基地と吉増剛造と話題は続いた。
4月から住む奥多摩地方への視軸を、東京繁華街に吸い取られないように
彼の志向する近代との関係性を思ったからだ。
翌日マイミク申し込みのメッセージが届く。
現代短歌の山田航さんといい、軟膏くんといい、硬派の男が出てきて、
いいインスパイアーを貰う。
今日次回展示の藤谷康晴さんが来る。
ここでの展示の後、大阪AD&Aギヤラリーで個展という。
気合が入っている。
この時は大阪まで行かねばなるまい。
昨年1月のドイツ谷口顕一郎展以来の訪問となる。
あの時以来彼地のスタッフと会うのも楽しみだ。
*「触れるー空・地・指」3人展ー秋元さなえ・太田理美・森本めぐみー
3月23日(火)-4月4日(日)am11時ーpm7時:月曜定休。
*藤谷康晴展「ANALOG FLIGHT SAPPORO→」
4月13日(火)-25日(日)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503