寒気強く、快晴。
空・地・指ー空・知・指。
指先が冷たい。
指が透き通り、空抜ける。
足が伸びて、石狩の端まで歩いて行けそう。
後志との境、十勝との境、空知との境。
身体が境を欲している。
石狩が立ち上がる。
境(さかい)の際(きわ)が、活き活きすること。
際(きわ)が希薄で、如何に国際(くにぎわ)が立ち得るか。
境(さかい)は違いに閉じず、外を開く。
「触れるー空・地・指」3人展初日。
前回展示の宍戸さんが、ゆっくりと見ていった。
3人それぞれの世界、ひとつづつに向き合い、吹き抜け2階回廊床に
腰を下ろして、足をぶらぶら宙に浮かせる。
鳥が飛び、白いミミズの曲線が床を這い、落花生の殻を抓む指が
壁を埋めている。
空間がちょうど一体に見える場所だ。
自分の個展終了後初めて訪れ、その空間の違いを楽しんでいるようだ。
ふと思い立って、Wong Wing Tsanさんの「Jiuzhaigou valley」を
流す。澄んだ清流と湖沼の水の旋律が空間に流れる。
音が光と融けあって3人の視座の岸辺を波打つようだ。
この曲合いますねえと、宍戸さんが言う。
そうか、3人に視線にもうひとつ不足していたものは、流れる水だったのだ。
岩見沢の街外れ、埋め立てられた川、ト・ネ・ペッを思い出す。
沼のような川の意とアイヌ語でいう。
もともと緩やかな丘陵地帯で、川も沼のように緩やかに流れていたのだろう。
その川も埋め立てられ見えない川となっている。
その欠けた風景を、音楽が補っているのかも知れない。
そういえば、川と水への視座が、今回の3人の視座には欠けている。
その水の視座に一番近い太田理美さんのみみずの造型は、土と水の
保有量が不足している。
さらに作品を創っているらしい太田さんのこれからで、この展覧会は
さらに深化するだろう。
*「触れるー空・地・指」3人展ー秋元さなえ・太田理美・森本めぐみー
3月23日(火)-4月4日(日)am11時ーpm7時:月曜定休。休廊。
*藤谷康晴展「ANALOG FLIGHT SAPPORO→」
4月13日(火)-25日(日)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/tax011-737-5503