界(さかい)の夢を見た。
体調の多分余り良くない時、いつも見る夢の風景があった。
縁(へり)の世界を漂流している。
山裾の古い道。
道の岐かれは多分あの世。
緩やかな曲折をみせて続く道。
そして河原のような広い雪隠。
先端というエッジではなく、道の末の端(はし)。
何かが弱っている時、先端の緊張感は薄れて、末の端に落ち込む。
幽冥の界(さかい)をきっと夢の中で放浪していたのだろう。
明け方の記憶に残る夢の痕。
妹がいて、遠くに父がいたような気がする。
札幌で生まれ、札幌で死んだ父を思う。
祖父が築いた明治の家で、大正・昭和を生き抜いた。
今は拡幅された舗道のその下を、地下街と地下鉄が走る。
空には高層のショッピングビルの塔屋。
そこから私の漂流は始っている。
心魂篭めた円山北町の燃える街角もまた、住のビル間に沈み
さっぽろの縁(エッジ)を、今また彷徨っている。
界(さかい)を翳のように、縁(ふち)取りして生きている。
この先端を隈(くま)どるように生きる事。
喪った故郷を再生する為に。
その気力が弱まると多分、先端のエッジは幽冥界(さかい)を彷徨う。
河原のような大きな雪隠は、その表象である。
エッジは強く保たなければならない。
新鮮な世界に触れ続けていかなければならない。
閉じるエッジに負けてはいけない。
朝の夢の後、そんな事を思っていた。
夢の中へと、疲れた布団に潜り込む怠惰な日常を振り切るように。
明るい光の山裾の、心惹きつける緩い曲がった道。
あれは、きっと死の世界へと続く。
*「触れるー空・地・指」3人展ー3月23日(火)-4月4日(日)
am11時ーpm7時・月曜定休・休廊。
*藤谷康晴展「ANALOG FLIGHT-sapporo→」
4月13日(火)-25日(日)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503