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テンポラリー通信

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2010年 03月 18日

影絵のようにー夢界(ゆめさかい)(15)

奥三角山と宮の森シャンツエの間、盤渓峠を源流とする琴似川は、
西区八軒と北区の境辺りで新川の直線排水路に消える。
先日の小さな川下りの旅は、そこから北大第一農場に沿った斜め通りを
経てテンポラリースペースまでの歩行だった。
実は見えなくなった琴似川は、微かにその痕跡を見せつつ
新琴似、麻生を経て篠路の伏古川(旧札幌川)との合流地点へと続く
のだが、今回はそこまで歩く事はなかった。
宍戸さんのその後の様子も気になった所為もあり、新川で琴似川が消滅
した時点でギヤラリーへと向かったのだ。
途中同行した二人の出身校も経由したので、通学路のアクセスとは違う
地形の中の高校の位置を確認したと思う。
学校の傍を歩きぬけた時、これで本当に学校を通り抜けたねと話し掛けた。
ふたりは黙って何も語らなかったが、後日Yさんが真っ白な札幌だったと
ミクシイに書いていた。
そう、真っ白な札幌を見て、生きている場所を再構成出来ればいいと思う。
これも、the Republic of Dreams in Sapporoなのだと思う。
歩き深め、歩き透む。
足を通して視座が変化し、その時々の視角が宿る。
一緒に歩くと自分以外の視座が、反射されてくる。
蝙蝠の超音波のように、他者が媒介してその視角がこちらに飛んで来る。
こんな小さな旅にでも、いい道にはそれがあるのだ。
それが歩き透む感覚である。
次回Sさん帰省の時は、茨戸街道を案内したいと思う。
琴似川の合流地、サッポロプトまで歩こう。

今朝詩人の高橋秀明さんが来る。
ふと思い立って山田航さんの道新に載った文章を見せる。
論理性のあるふたりはきっと合うと思ったからだ。
3人で雑誌を作ろうかと提案する。
高橋さんも満更でもない顔をした。
高橋さんが残していった最近書いたという文章にこんな言葉があった。

 詩人は存在していると言うよりも、幸か不幸か組織に引き立てられない
 ことによって、影絵のように存在させられているだけなのだ。

そう、きっと真っ白な札幌とは、歩き透む歩行によって影絵の浮かぶ
白い札幌なのだ。
そしてこの札幌とは同時に、組織には引き立てられない存在である。
詩人も美術家も表現者の側に立つ人間は、エッジ(縁)を歩む人である。
そのエッジこそが、内なるものと外なるものを結ぶ。
五感のすべてが、内と外の界(さかい)に活き活きと存するように。
触れるところ、その境界(さかい)を主題として、来週から3人展が始る。
タイトルは<触れるー空・地・指>。
3人のそれぞれの視角を、触れるを主題として展示される。
秋元さなえさん、太田理美さん、森本めぐみさん。
蠢(うごめ)くそれぞれの触覚が、白い世界にどのような影絵を
描くか。楽しみである。

*「触れるー空・地・指」展ー3月23日(火)-4月4日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊。
*藤谷康晴展「ANALOG FLIGHT-sapporo→」
 4月13日(火)-25日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-03-18 13:51 | Comments(4)
Commented by ナカムラ at 2010-03-19 01:51 x
こんにちは。川をめぐる徒歩の小さな旅の話に感じ入っています。水であり、川でありは命をつなぐ道であったように思います。古代において特に。浜松で考古学に取り組んでいたときに、天竜川をはさんで弥生と縄文が対峙し、どうも時には紛争していた時、違う文化のもう一派が登場するのです。この人々は山岳民族系で、たとえば尖石遺跡などに居住した人々です。この民族は移動の道は川でした。ですから八ヶ岳のふもとから天竜川をつかって一気に平野にまで進出できたのです。いろいろ考えさせられます。ありがとうございました。
Commented by テンポラリー at 2010-03-19 10:21 x
ナカムラさん>ここ北の国では、百有余年の近・現代とそれ以前の
縄文自然が接していて、その凝縮した時間の垂直断層を歩く事
になります。本州の近世・中世の時間層も近代に象嵌されてあり、
その事が小さな旅にも風景として感じられます。
いつも真摯なコメントありがとう御座います。
Commented by hecomi-study at 2010-03-19 17:21
雑誌のこと、本当に実現したらいいな。中森さんの表現を発信する最適な方法にも思えます。ブログの字もいいけど、紙の上に印刷されたものはまた違った良さがあると思います。
Commented by kakiten at 2010-03-20 12:06
hecomiさま>サンキュー!頑張ります。


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