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テンポラリー通信

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2010年 01月 21日

「大野一雄頌」展ー有機的な世界(3)

大野一雄と森本めぐみの新作を構成して展示を完了する。
今月12日に完成したばかりの150号程の大作が一点正面に飾られ、
手前に低く石狩河口公演の大野先生の舞踏プランニングデッサンを置く。
夕陽の岸辺の舞台デッサンである。
左壁には、正面中央にアルヘンチーナの大きな笑顔が印刷された
「ラ・アルヘンチーナ頌」のポスターを貼り、
左右に大野一雄ひとりのポスターを配した。
さらに石狩河口公演時の資料とポスター3枚にドキュメントの本、
2階吹き抜け回廊壁には、大野慶人さんとふたりが撮影された「睡蓮」
「天道地道」のポスターを2枚を吹き抜け正面に配した。
このポスターは慶人さんとの絡みが生々しく、濃く強烈である。
これらを1、2階の主軸にして、他のポスターをサブに並べる。
大野一雄のポスターは、どれも名だたる写真家の力作揃いで迫力充分
である。またポスター文字も、中川幸夫さんの文字でダイナミックである。
展示のイメージプランとしては、吹き抜け回廊部分を腐海に見立て、
その下に広がる階下の世界を、妙なる清浄な生命世界に見立てた。
アルヘンチーナの美しい笑顔と、森本めぐみさんの新作がその世界を
顕している。
こうして大野一雄の世界に囲まれた森本めぐみさんの新作を見ると、
世代も環境も時代も違うのだが、不思議としっくりと作品の赤が、際立つ
のである。
地平線あるいは水平線を持ち上げて、胸の前に保っているかの如き画像が、
あの石狩の夕陽を彷彿とさせるのだ。
知平(地平)の水平線を抜いて立つ、心の在りようが共鳴しあっているから
と思える。
ふたつの展覧会が順延された偶然の結果とはいえ、この展示は
かなりの確度で必然性を帯びている。
展示を終えて最初に顔を出したKは、1時間近くゆっくり見て周る。
彼にしては珍しい事である。
”いいなあ、元気をもらった”と帰り際呟いた一言を忘れない。
森本さんにはこの作品が欲しいとも言ったそうである。
製作過程のざわざわしたライブの空気が消え、ここで制作された作品が
純粋に今立ち上がっている。
大野一雄百有余歳の新年を寿賀し、22歳の誕生日を迎えたばかりの
森本めぐみの新しい作品もまた、命と光の朱・赤に煌いている。
大野一雄頌ーこれはふたりの命のみちゆきでもある。

*大野一雄頌「みちゆき」-1月26日(火)-2月12日(金)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊。
*高臣大介冬のガラス展ー2月16日(火)-21日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2010-01-21 12:20 | Comments(0)


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