歌人の山田航さんが来る。
過日道新に彼の「わが短歌の原風景 札幌」が掲載され、何度かこのブログに
引用して会いたかった方である。
ああ闇はここにしかないコンビニのペットボトルの棚の隙間に (松木秀)
を引用して硬質な都市論を展開し、感銘を与えた。
たぶん親の収入超せない僕たちがペットボトルを補充してゆく
走ろうとすれば地球が回りだしスタートラインが逃げてゆくんだ (山田航)
若いコンビニ世代の鬱屈を抱え込みながらも、<文化の発信地は常に東京で
あり、北海道は都心部をもたない巨大な郊外としてでんとそこに置かれている
ように思えるのだ。・・・近代以降に整備された人工都市・札幌にはとりわけ
顕著な「空洞」傾向がある。>(同上新聞掲載文)
この現在をしっかりと見据え、その「空洞」をあたかも目隠しし、眼の臭い消しに
奔走するかの如きアート風潮に怒りを持っていた私には、この若い歌人の闘う
姿勢に大いに共感し、会いたいと思っていたのだ。
挨拶もそこそこに、話は続いた。
不意に電話が鳴り、今フエリーで北海道に着いたという沖縄ー佐世保から
帰郷中のチQさんから連絡が来る。
真っ直ぐここにくるという。
小1時間もしてチQさんが来た。さらにそうこうしている時にかりん舎の坪井さん
、高橋さんが来る。
チQさんとの1年ぶりの再会に歓談が続く。
山田さんはゆっくりと森本展を見ている。
なんだかんだと閉廊時間近くまで結局山田、チQ3人で話し込んだ。
山田さんが帰った後、ふっとチQさんと顔を見合わせ、おい、ムラギシが
来ていたんじゃないかと話した。
山田さんとムラギシは同年齢で、ムラギシ本を熱心に話の合間に読んでいた
からである。彼の遺した曲のCDを流しながら、時間がいつの間にか過ぎていた。
本の出版をしたかりん舎のふたりが見え、チQさんが不意に来て、同年の山田
さんが訪ねて来る。そして話の渦中のへりには常にムラギシがいたのだ。
これらはみんな計ったようなピンポイントの偶然である。
祖母と父の具合が悪いという事で、急遽一時帰郷したチQさんの、北上陸と同時
の訪問は思わぬ展開で多くの波紋を広げたのだ。
みんなそれぞれに会いたかった人たちである。
チQさんも山田さんのことは、私のブログを通して知り会いたかった人という。
これら熱い時間に包まれて、森本さんの眼光が段々濃くなっている。
とうとう岩見沢のアトリエからここに作品を持ち込み、ここで仕上げるという。
それぞれに熱く濃い時が加速してゆく年末である。
*森本めぐみ展「くものお」-12月15日(火)-1月13日(水)
am11時ーpm7時。12月31日ー1月4日まで正月休み。月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503