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テンポラリー通信

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2009年 12月 02日

モエレ沼・撓(たわ)むーthe republic of dreams(2)

昨日のブログを読んで、有山睦さんからメールが届く。
拙文に感謝の言葉。
そして今月モエレ沼公園でライブがあり、そこで再びムラギシ曲
「撓む指は羽根」を演奏するという内容だった。
モエレ沼公園の担当学芸員Mさんに今回の演奏リストを送ったところ、
ムラギシの事を覚えていて、喜んでくれたという。
そういえばムラギシは4年前の1月、モエレ沼Snow Villageという
アートイヴェントに参加し、ピアニカ4人の為のシャコンヌを演奏していたのだ、
この曲は遺作集CD№1に再演されて収められている。
雪で造られた壁の空間の真ん中に一本の木が立てられ、その周りを
ピアニカを吹く4人が演奏をする。その後演奏する4人は歩きながら
雪の公園全体を放浪するという設定だったようだ。

 僕らがそこでしたことといえば、そのひとつには、この曲を演奏するための
 空間をつくること、日本海辺り(積丹の方)からやって来たのであろう、雪やら
 風やらに吹きつけられたので舞う、ようにつくることであったのでした。
                                      (岡和田直人)

またこの曲については、音楽の恩師である南聡先生が遺作集に詳細な考察を
記している。

 (この空間構成は)外側からのノイズの遮音の期待と内側からの多少の
 反響音を期待しての構想・・・極論を言えば<シャコンヌ注釈>のための
 箱と言っても過言ではないであろう。
                    (南聡「村岸宏昭の作曲についてのあれこれ」)

さらに空間中央に立てられた木が、この曲の3番目の「フラクタル」に対応し、
これがキーワードであるとも書かれている。
確かに遺された楽譜にもその事実が記されている。
遺作集のこの頁を詳細に読みながら、ふっと次のように記載された
写真の注釈に眼が留まった。
雪壁で造られた当時の構築物の全景の写真のそれである。
 
 ・・・真ん中の木の枝はtemporay spaceのツララ

思い出したのだ。
4年前円山北町を撤退の前夜近く、引越しの荷物梱包に多忙だった時、
テンポラリーの屋根から下がる大きなツララを、参加したMくんが持って
いった事を。
あのツララは、ここで生命の樹、宇宙樹の枝として使われていたのである。

この注釈の一文は、正に撓(たわ)む心の指となって、時間を超え
今に触れてきた感じがした。
有山睦さんたちの今月モエレ沼公園コンサート実現は、
そうした不思議な心の指を感じさせるのである。
あのツララも、その軒下の場所ももうすでに今はないのだが、
私の心の指は撓(たわ)み記憶の羽根となって、時空を飛翔するのである。

*森本めぐみ展「くものお」ー12月15日(火)-1月13日(水)
 12月31日ー1月4日休廊:月曜定休。
*chamber musicライブー12月19日モエレ沼公園ガラスのピラミット
 :須田裕之(tsax・sopsx)小板橋由美(p)泰野義之(b)有山睦(d)
*「自分を代表させるような仕事はまだありません。」ー村岸宏昭の世界
 発行・札幌かりん舎:A4変型版160頁(内カラー96頁)定価2000円
 +税。残部僅少。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

 

by kakiten | 2009-12-02 13:34 | Comments(0)


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