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テンポラリー通信

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2009年 12月 01日

the republic of dreams(1)

定休日の夜、街へ出る。
有山睦さんのジャズライブを聞く為だ。
今夜初めて披露されるムラギシの「撓む指は羽根」。
この曲がどう、如何なる演奏になるのか。
身体が休日モードで、かったるい感じがするが、
気持ちを切り換え街へと行く。
ススキノに近い古いビルの地下にある、ジャズスポット「JERICHO」。
少し早めに着く。まだ音合わせ中に席に座る。
壁一面にLPレコード。日に焼けて茶っぽい。
中年のいかにもジャズの好きそうなマスターが、ひとり。
小さな狭いジャズライブバーである。
奥で4人のメンバーが音合せに余念がない。
軽くビールを飲み、本番を待つ。
午後8時過ぎほぼ満員に客席が埋まり、演奏が始まった。
演奏リストでは前半の4曲目がムラギシの曲。
デイジーガレスピー、坂本龍一、デーブ・ブルーベックの順である。
軽快にスタンダードなジャズの演奏の後、有山さんがプログラムに書かれた
ムラギシの曲について短いコメントを入れる。
少し緊張気味のようだ。
須田裕之さんというテナーサックス奏者が、ソプラノサックスに楽器を変え
ムラギシの「撓む指は羽根」のメロデイーを吹きだす。
原曲ではヴァイオリンとギターで演奏されているが、
ここではソプラノサックスとピアノが旋律を創っていく。
そして、ドラムとベースがリズムを刻み、
心地よく抒情的なメロデイーラインを浮き上がらせる。
優しくもひたむきな、美しい演奏となった。
ちょっとコルトレーンの「マイ フエバリット スイングス」を思い出していた。
ソプラノサックスの音色の所為だろうか。
2部にわたるライブを聞き終え、一緒に付き合ってくれたKさんと
無言で帰途に着く。
お互いにきっとたくさんの言葉が胸に詰まっていたのかも知れない。
久し振りの街の夜である。
いつもなら我々はもっと饒舌で、多くの事を話し合っていた筈である。
札幌の街のこと、エルムの樹のこと、彼が時計台周辺に植えている
野の花のこと。
お酒を飲んで、こんなにも無口で会っていたのは、初めてだった。
それがムラギシの音楽、有山さんたちの演奏、ふたりの休日の夜の疲れ
そのどれかによるものかは分らない。

今朝お礼のメールが有山さんから届いていた。
今後も「弛む指は羽根」を演奏しつづけていくという。
ひとつの本、一枚のCDが繋いだ交感が、昨日の夜を境にして、
さらに世界が広がってゆく。
そうした世界のあることを、勇気づけられ嬉しく思う自分がいる。

有山さん、そしてメンバーの皆さんありがとう。
ムラギシ、良かったぜ。

*森めぐみ展「くものお」-12月15日(火)-1月13日(水)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-12-01 15:31 | Comments(0)


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