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テンポラリー通信

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2009年 11月 15日

文化資源としての<炭鉱>展ーkind of blue(11)

11月4日から12月27日まで現在開催中の目黒美術館「’文化’資源としての
<炭鉱>」展カタログテキストが送られてきた。
A4版416頁の分厚い冊子である。
筑豊・常磐・空知の3産炭地を縦断し、<ヤマ>の美術・写真・グラフック・映画
と多ジャンルを網羅している。これらが第一章から第五章まで詳細に論じられて
いる力作カタログである。
私も第二章の「炭鉱と美術ー都市の<美術家>たちのまなざし」(5)節のテキスト
を書かせて頂いた所為もあり、まずは自分の拙い文へと目を走らせた。
書き込み不足が大いに気にはなったが、その事よりもこの冊子が保っている
意志的な熱意に手が震えた。
これはコールマインランドなのだ。
炭鉱を切り口に近代を見渡す壮大なランド(国)を創っている。
正木基という優れた類稀なるキューレーターの力量を感じる。
B級C級さらにはD級のアートブローカーの仕事を常日頃腹立たしく思っていた
私には久々に見る心地よい興奮を誘う企画である。
’92年の世田谷美術館塩田純一さん企画「廃墟としてのわが家ー都市と現代
美術」以来の興奮を覚えた。
ある主題を交点に様々な作家が重層するこれらの企画展は、真に優れてキュー
レートする扇の要の存在がある。
すると世界は多様な詳細の衣を脱ぎ捨て、ある強固な柱の元に別次元の世界
を開くのだ。世界の本質が現実現象の猥雑さを超え、くっきりとした姿を見せる。
現実の分類・区分とは違うより本質的な綜合体、ランド(国)が顕われる。
炭鉱という近代が、本質的な豊穣としてこの冊子から感受され得る。

届いたばかりでまだ充分に読み込んだわけではない。
12月実際に展覧会を見てまた書きたいと思う。

*鈴木悠哉展「トレモロ」-11月11日(水)ー29日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-11-15 13:55 | Comments(0)


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