人気ブログランキング |

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2009年 10月 15日

慰労会ー’Round midnight(14)

昨夕かりん舎のおふたりを招き、村岸宏昭さんの本出版の
苦労を慰労する会をもつ。
2年間にわたり編集作業を続け、この難しい仕事を見事に成し遂げてくれた。
22歳で遭難死した青年の、原石のような多岐にわたる軌跡を、あるがまま
真摯に見事な一冊の本に仕上げてくれた坪井けい子さん、高橋淑子さんの
編集努力には頭が下がるのである。
ともに本の編集作業を続けてきた数人の友人たちも招き、二人を囲んで
ささやかな感謝の会を催した。
本自体の出版記念会はすでに先月、ご遺族の方の主催で行われてはいたが
、本そのものの出版に携わった者同士の打ち上げではなかったからである。
かりん舎のふたりの苦労に感謝したかったからである。
まるで言い出した私の粗忽さを見抜くように、宴の準備の不足を補うように、
ふたりは両手に一杯の食べ物、飲み物を用意して現れた。
これでは逆だなあと一瞬思ったが、それも一瞬でありがたく、真っ先にパクつ
く自分がいた。
お花をと思っていたが、あいにくいつも行く花屋が休みで買い損ねたのである。
ビールだけは用意していたが、考えればふたりは車で来たのである。
あわてて珈琲をいれた。
仕事を終え予定した人たちが集まり、和やかに出版の苦労話などを聞く。
生前の村岸君本人を知らないふたりの奮闘は、まさに多くの人との出会い、
そして音楽、美術、哲学と多岐に渡る青年との未知との遭遇しそのもので
あったという。
この本自体が、どこのページからでも読む事が出来るように出来ている。
そして、個々の内部でムラギシ的なるものと出会うのである。
反応が今ひとつ伝わってこないと残念そうに、坪井さんが語っていたが、
この本は読んで即返事というような類のものではない。
時間とともに、じわっと浸透する性質の本だよと応えた。
それだけ造本、装丁、内容を含めて重く濃い本なのだ。
未完の原石のムラギシの志は、そうしたプリズムを秘めているからである。
ある局面において、本の内容は読者自身の事でもあるからだ。
それは内部に浸透するゆっくりとした時間が本に内包されてあるからだ。
そして昨夜の談楽する時間もまた、この本と同じように
ゆったりと浸透するいい時間が遅くまで流れていた。

*「自分を代表させるような仕事はまだありません」-村岸宏昭の世界ー
 A4変型版160頁(内カラー96頁)音楽CD2枚・別冊楽譜集付き
 札幌かりん舎発行・定価2000円+税
 残部少々。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-10-15 13:38 | Comments(0)


<< 原稿書きー’Round mid...      夕張と札幌ー’Round mi... >>