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テンポラリー通信

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2009年 08月 29日

魂いななきー夏日幻想(26)

今日は晴れ、風吹き抜け、光溢れる。

魂(たましい)いななき 
魂(たましい)いななき

昨日落ち込んでいた気持ちが、Fさんの訪問で救われる。
あれは、界川(さかいがわ)の狐の子。
お水に惹かれて来たのだろう。
銘菓明がらすを抓み、コンと鳴いて帰っていった。

来月19日のエレガントピープルのライブ会場に、翌週から始る藤倉翼さん
の写真を飾る事に決まる。真正面から被写体を捉える藤倉さんの映像は、
仲西さんの熱いアルトサックス、有山さんの溢れるドラムスにぴったりと思う。
絵になるなあ。
それまでしばらく収蔵品展で凌ぐ事になる。
現在展示中の1910年生まれの一原有徳さん、一昨年他界された津軽の村上
善男さん等の作品は、群を抜いて素晴らしい。
他にもある収蔵品を展示してもいいのだが、このふたりを並べると、なかなか
それに相応しいバランスがとれない。
版の概念の限界に挑戦した一原有徳さん80歳代のステンレス作品。
東北津軽の伝統を煮詰め、ツガルモダーンの真髄を表現した村上善男。
このぎりぎりの際(きわ)、エッジの表現には少しも古びた時間はない。
凡百の今を超え、作品の現在があるのだ。
もっと見て頂きたいと思う。
ジャコメッテイーの小さな塑像を、持ち主が掌に載せそっと差し出した瞬間を
撮った安斎重男のワンショットも秀逸である。
掌の暖かい柔らかさと彫刻の直線の対比が、
これもある際(エッジ)の瞬間を定着させている。
人間の手が保つ自然の曲線、ジャコメッテイーの針金のような直線。
その哀しいまでの同時存在。写真ならではの切り取りである。
米国育ちの坂口登は、父の国日本と母の国米国の二重性を
二連画の構成で鋭く対比させ表現している。
大和絵のような鳥獣花の図柄が曲線でうねり、対比するように直線のスクエアー
な図柄が左右に拮抗している。これもある境界(エッジ)の表現である。
他に韓国の黄宇哲さんの半島を二分する国を窺せるような個の内面風景。
国の境界が民族の心の境を生んでいる。
今回の主題は、それぞれの作家の心の現場の際(エッジ)であり、
界(さかい)である。
個別な創造の現場が、何よりもリアルに顕われる作品である。
個展とは違う切り口から、作家の生々しい現場を、ひとつの主題からそれぞれ
感受する事ができるのだ。
複数のグループ展の場合は、<×1>となるテーマ性が重要である。
<=>では羅列となる。思わせ振りな形容詞のデコレーシヨンも意味がない。
辛味のないスープカレー、ごった煮の絵画の場合が多過ぎる。
指揮者の個性の発揮されないオーケストラのようなものだ。

魂(たましい)いななき、セプテンバー。
もうすぐ9月。

*「収蔵品展ー境界(さかい)の現場」-9月1日(月)-13日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊
*坂口登さんに関し、親しい方からご指摘を受け、訂正しました。
 坂口登さんは、1944年熊本生れ。1956年渡米。二世ではありません。
 

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-08-29 14:34 | Comments(0)


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