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テンポラリー通信

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2009年 08月 28日

秋声漂うー夏日幻想(25)

曇天。夏の果て。夏と冬との界(さかい)。
こういう時には、心も閉じる。
過去が現在に実を結び、明日へと開かない。
過去のある一点へと逃げ込むように、潜り込もうとする。
何故ここにいるのか。
殻の心を抱いて、実はどこへ置いてきたのか。
父よ、あなたの遺志はどこへと向いていたのか。
不肖の息子に何を伝えたかったのか。
さっぽろの近代とともに、その人生を終えるにあたり、
その眼差しは何辺へ注がれていたのか。
虚を埋めるように、父の痕をなぞり街と街の挾間を生きたよ。
そして今再び自分の内なる虚と向き合っているのだ。
秋声漂う、秋よ。
もっと透明な風と光で充たせ。
<魂いななき>
夏と冬の界(さかい)を、もっと充たせよ。
現在(いま)を引き裂くな。

 秋は喨喨と空に鳴り
 空は水色、鳥が飛び
 魂いななき
 ・・・・
 多端紛雑の過去は眼の前に横たわり
 血脈をわれに送る
           
高村光太郎の「秋の祈」の一節が浮かんだ。

*「’90年代の作家たちーコレクシヨン展」-8月30日(日)まで。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
            

by kakiten | 2009-08-28 11:51 | Comments(0)


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