急に夏が戻って来た。30度近くあるらしい。
かき氷が食べたい。さらさら、さくさくがいい。
胸焼けに、胃もたれは嫌だね。
九州の田川で10年間「コールマイン田川」という炭鉱プロジェクトをしていた
美術家の川俣正が、ジャズピアニストの山下洋輔外との公開討論会で
<センスオブワンダー>ということを語っていた。
川俣ーよく間違われるのは、アーテイスト=社会運動家ですね。運動家と
アーテイストは、僕は全然違うと思うんです。アーテイストはあくまで個人
であって、自分の一つのモチベーシヨンの中で、場所がパブリックな故の
ひとつの軋轢みたいなものであったり、先程山下さんが言ったように自分
のポジショニングがなかなか取れないところを、いかに楽しんで何かをつ
くっていくかっていう事だと思うんです、そこに何か使命感のようなものを
与えちゃうと、僕はちょっと違うものになってきちゃうんじやないかと思うん
です。
・・・
山下ー・・・社会生活のできない奴が来て、何かいう事聞かされちゃった
ということなんじゃないでしょうか。ただ、それをした結果、何ができたんだ
ろうということで、何だこれはという、つまりはセンスオブワンダー、これは
SF用語だけど、「何だろうこれは、よくこんなもの考えるよな人間は」という
ことが、普通の人にまで一気に伝わって、何か面白いものが自分たちの
精神の中には宿っているんだということが開発されるとしたら、これは・・・
意義あることではないかと思います。
(2001年10月18日パブリックデスカッシヨン「炭鉱とアート」)
閉山した炭鉱の街で、こつこつ10年間仮設の塔を建ててきた川俣正と
山下洋輔の対話は絶妙のリズムで語られ面白い。
表現者の<個>は時に毒をもって、エゴにもなるわけだが、それがポジテ
イブな毒として他者を、社会を巻き込んでいく過程が生き生きと語られている。
胸焼けし胃もたれの今日、センスオブワンダーで、すっきりした。
これは何であるではなく、こりゃ一体なんだ、でいきましょ。
*「’90年代の作家たちーコレクシヨン展」-8月18日(火)-30日(日)
am11時ーpm7時:月曜定休・休廊
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503