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テンポラリー通信

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2009年 08月 09日

気が抜けたのか・・-夏日幻想(9)

今日発つ予定の沖縄行きを断念した所為か、気が抜ける。
気が抜けて、腰にくる。腰抜けとは、この事だ。
朝何気なく背伸びしたら、グキッときた。
もう歩き抜くしかないね。
自転車は置き、歩く。
歩くと軽くなる。座るとしんどい。
腹筋弱っているのかしら。最近ほとんどしてないから、
かってのように腕立て、腹筋百回以上の訓練を怠っている。
運動は連続性である。keepである。急に良くなるものではない。
あるレヴェルからぐっと伸びる。落ちるのも早い。サボると緩む。
気持ちの持続も同じ事かも知れない。
緩むとガクッと緩む。
2月厳冬の時沖縄は夏日だった。
赤い花が咲き、青い海と空が広がり、ウグイスが鳴いていた。
風景的には楽園のようだった。しかし、その美しい風景の内に潜む
限りなく深い哀を見た。
それが豊平ヨシオさんの作品だった。
この絵の前にもう一度立ちたい。この夢のような冬・2月ではなく、
厳夏・8月にもう一度、ただ単純にそう思ったのだ。
避寒地のように来るのではなく、一番沖縄らしく厳しい時に。
倫理的にそう思ったのだ。
そしていつか雪の白い大地に、この青い亀裂を展示してみたい。
そうも思っていた。
さっぽろがさっぽろらしい厳冬に、沖縄が沖縄らしい厳夏に。
沖縄の抱える<哀>を、私は私の生きている場で、どう受け止め得るか。
この半年その思いがずーつと心の底にあったのだ。
しかしその厳しさは、ただ単に季節にのみ存する訳ではない。
それぞれの私的状況の極にある一点。
私から個への径庭で触れる類とも呼べる、ある普遍的な磁場を、今は思うのだ。
18年前たった一度の札幌訪問で、豊平さんがずーつと心に抱いていた
同じ何かを、私は今回2月の初めての沖縄で感じていたと直感している。
豊平さんが呼び込んでくれたと思う。
偶然出会ったOくんの存在が、その証左である。
豊平さんが札幌で感じたこと、その応えが作品にはある。
沖縄を深く生きる人間が、見て欲しいと一本の電話をくれた事。
その作品にすべてがある。
だから、一度の不意の訪問ではなく、心してもう一度その前に立ちたい。
そう思うのだ。
その半年前からの決意が空振りして今、気が抜け、腰が抜けて
情けない話である。
たた今回強行しても、Oくんの言う通りのことになるのも事実である。
気力体力充実して、またもう一度あの青い海と空、豊平さんの哀の青の前に
立ちたい。そう思う。
Oくん、代わりに今回しっかり見て来て下さい。お願い致します。

*10日(月)定休日:11日(火)-16日(日)お盆休廊

 テンポラリ-スペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-08-09 16:39 | Comments(0)


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