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テンポラリー通信

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2009年 07月 20日

休廊日ー朱夏(19)

ペンキ塗り完成。打ち上げで飲む。
お父さんとの仕事の差を岡和田さんが話す。
2時間かかるところ、父だと300秒という。
うん?300秒・・。あっ5分か。
何故秒数でいうのか分からないが、速さの比較は分かる。
技術の差だよねと応える。
その後暫らくして、来年暮個展をやらせて欲しいと言う。
勿論いいよ、楽しみにしているさ。
そして、この後帯広を出て、札幌で暮らしたいと言う。
しばし考えてから、300秒の手仕事の話をした。
せっかくお父さんの技術を学んでいるのだから、もう父さんと思わず、
仕事の先輩として、もっと教えてもらったらと言った。
若い頃家の事情で、したいことを諦め、今の仕事をひたすら続けてきたお父さん
の心は、息子がしたいことをするのを黙って今まで許してくれたという。
東京、尾道、四国と放浪した20代の終わりに、実家のある帯広へ帰り、父の
仕事を手伝っている時間は、今貴重ではないのか。
うつつ(現)とお金(実)の間で生きるのが人間だけれども、
今は(実)に徹する時ではないのか。
今まではうつつ(現)の方を彷徨ってきたけれど、今度は生活(実)の方から、
うつつ(現)を立ち上げた方がいいと思う。
ペンキ職人の技をアートとすれば、そこからフアインアートを立ち上げる時と思う。
そう応えた。来年末の個展を、父親にも納得させて開いて欲しい。
今回の岡和田さんは、ペンキ職人としての個展のようなものだった。
そこで感じた技術の相違・差に大きな収獲があって、300秒の父親に負けず、
腕を磨き、その上であなたのファインな部分を、個展としてして欲しい。
生活と分離して表現を考えて欲しくない。
お父さんの胸に秘めた想いを無駄にしてはならない。
表に出ない内に秘めた無名の、その大切な部分を忘れてはならない。
そう応えた。300秒が、10000秒だろうといいではないか。
生活条件としての<実>と、想いとして<現>を併せ保ってこそ、優れて<現実>
ではないのか。片方に寄り過ぎると、現実(リアル)という磁場は薄くなる。
本当のリアルとは、うつう(現)と生活条件(実)の間の磁場から生まれる。
映像もそこを抜きに、真にいいものは顕われない。
昨夜の焼き鳥屋での会話である。

今日、休廊日だが出勤。テンポラリーアーカイブス展示。
会場は見事に綺麗な白い壁となっている。
釘を打つのが勿体無い気もする。
3年前みんなで壁を塗った事を思い出す。
しかし3年前と違うのは、ひとりの半プロが今回すべて塗ったという事実である。
塗りのムラは無く、ひと刷け、ひと刷け、真っ直ぐな塗りなのだ。
昨夜の話を思い出していた。
岡和田直人さんがきっとこの壁のように、人生をひと刷け、ひと刷け真っ直ぐに
塗り込め、いつの日か美しい映像を見せてくれる事を、心から待っている。

*テンポラリーアーカイブス展ー7月22日(火)-8月7日(金)
 am11時ーpm7時:月曜休廊

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-07-20 17:16 | Comments(0)


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