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テンポラリー通信

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2009年 07月 19日

雨の日曜日ー朱夏(18)

壁を削り、平らにして、丹念にその上から白ペンキを塗っていく。
岡和田直人さんの職人手仕事も一週間近くなる。
ほぼ今日で仕上げ、明日からは石狩へと向かうだろう。
陽水の「もどり道」を流したら、すっかりはまって、今朝もそれが流れていた。
父の死、そして帰郷。その語りを交えた歌が初々しい。
このライブ会場に、当時仲間だった及川恒平さんも坂本龍一といたという。
このライブは、もうこれで売れなければやめるかという状況だったと及川さん
に聞いた気がする。
あの黒いサングラスに、にやりとした笑みを浮かべる陽水とは別人のような
小さな細い声で喋る陽水である。
岡ちゃんと似てるね、この喋り方。
岡ちゃんもサングラスをかければ変身するかもね。
昔お父さんが陽水の曲をかけていたので、いくつかは覚えていると言う。
ただきっと同じ世代の頃の陽水をこうして聞いたのは初めてで、新鮮で共感し
たのだろう。
シャイなところがそっくりだな。
帯広に帰郷して、父の職を手伝い、全部ひとりで仕事をするのは今回初めて
だろうから、この一週間は職人岡和田直人ペンキ塗り個展というところか。
♪新しいラプソデイーが、今流れている。
「もどり道」からもっと時代が近付いた曲だ。
’70-’80-’90年代とひとりの歌い手が生きてきた時間が、
今流れている。
その時間の流れに、自らの生きてきた時間が重なり、
今という時間が重層している。
雨の日曜日。
♪傘がない、行かなくちゃ、君に会いに行かなくちゃと流れる。
♪それは、いい事だろう~。
なんか切なくなるなあ。
冷たい雨が僕の心に降る。傘がない。

いつも思うけど、声や音楽というものが保つ直接性は、身体をもっている。
時に、こちらの心体がそっちに持っていかれてしまう。

*テンポラリーアーカイブス展ー7月21日(火)-8月7日(金)
*沖縄行きとお盆で8月9日(土)-16日(日)休廊

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-07-19 12:19 | Comments(0)


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