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テンポラリー通信

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2009年 06月 24日

遠い声・近い声ー風のRondo(19)

十数年ぶりの内村俊介さんの訪問に始まり、濃い粒々の時間が続いた。
本来彫刻家であるが、今は豆本造りをしている岡部亮さんは、彫刻魂を
刺激されたのか、じっくりと中嶋展を見ていった。
その目線の視角はやはり彫刻をする人のそれと思えた。
造型として封筒形の一点一点を見ていたからである。
私は先ず封筒という存在の意味から作品を見ていく志向がある。
つまり間接的な存在が保つ<間>の意味である。
切り口がそうなる。
しかし、彫刻家は造型された形から見る。
当然といえば当然だが、しばらく彫刻から遠ざかっている亮さんの目が
その彫刻家の目になっているのを感じて嬉しかったのだ。
それからも濃い時間を共有する人たちが続いた。
合間を見て2階で原稿を書いていると。おーい、ナカモリ!と声がした。
工藤正廣氏だった。連れて来たぞという。
見ると懐かしい顔があった。ポーランド文学を研究している井上暁子さんだった。
もう何年ぶりだろうか。北大から東大へ行き、ドイツ、ポーランドへ留学した才媛で
ある。前のスペースでは何度か顔を合わせ話していたが、ここは初めてである。
工藤氏の教え子でもあり、今回久し振りの札幌出張で連れてきてくれたのだった。
ゆっくり会場と建物を見て、落ち着くわと言ってくれた。
前のスペースとは比べ様もないのだが、今していることも含めてすべてを理解して
くれたようで嬉しかった。
閉廊時間後、初日だよねといいながら、中嶋さんとビールで乾杯した。
すると電話が鳴り、ケンですと声が届く。
ドイツのケンちゃんこと谷口顕一郎さんだった。
中嶋さんの初日ですからという。
オランダのブリュッセルで大きな仕事にかかるという。
遠距離電話にもかかわらず、中嶋さん、後から来た國枝さんと替わり、
長い会話が続いた。
遠く、近く、いい声が届きいい初日だった。

*中嶋幸治展「エンヴェロープの風の鱗」-6月23日(火)-7月5日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊
*及川恒平フォークライブ「TASOGARE」-6月28日(日)午後6時半~
 入場料3000円・予約2500円
*中川かりん展ー7月7日(火)-12日(日)
 
 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-06-24 11:45 | Comments(0)


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