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テンポラリー通信

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2009年 06月 23日

中嶋幸治展始まるー風のRondo(18)

強風の一日が明け、夏の陽射しが戻ってきた。
中嶋幸治展始まる。
封筒に造型された色、形が、壁より少し宙に浮いて、
その影と光が美しい。
間(あいだ)の宙(そら)が、空間を創って潔い。
入ってすぐ右手の奥まった空間には、故郷弘前の白岩の土が盛られ、
上からは梅の苗木が9本、逆に吊られている。
土の中にスピーカーが仕込まれ、小さく音が流れている。
中嶋さんの演奏だそうだ。
入って会場正面には、オレンジと黒の封筒が交互に横一列に展示され、
風の澱みのように見える。
青森から最初に札幌に来た2年前の春、風が粒々してオレンジ色に感じたとい
中嶋さんの言葉を思い出した。
津軽海峡を経た土地の違い。その界(さかい)の新鮮な感覚がこの展示に
篭められている。
そこへふらりと最初のお客さんが来る。
なんと、内村俊介さんだった。’89年「アートイヴェント界川游行」の際、
当時ケーブルテレビジョンにいた彼は、4時間のドキュメントを撮影してくれた人
である。現在は別のTV局に移ったが、もう何年も会っていなかった。
ここには勿論初めてである。
中嶋さんを紹介した後、話は’89年まで遡り、現在に至ることで熱を帯びた。
不思議だなあ、中嶋幸治展の最初の訪問者が、内村さんとは・・。
これがほんとの風の便りである。
20年は消え、その長さを一瞬にして現在の時間にした。
間(あいだ)は、豊かな風の吹く時間となった。
時を繋ぐ、風の磁場である。
昨日の休みの間受け取ったメールを開くと、
目黒のM氏から、熱いメッセージが入っていた。
一昨日の唐牛幸史さんの訪問を喜ぶメッセージだった。
ここでも時が、過去から今へと吹いている。
風の磁場である。便りである。
中嶋幸治展初日、いろんな風が吹く。

*中嶋幸治展「エンヴェロープの風の鱗」-6月23日(火)-7月5日(日)
 am11時ーpm7時・月曜定休・休廊
*及川恒平フォークライブ「TASOGARE」-6月28日(日)午後6時半~
 入場料3000円予約2500円
*中川かりん展ー7月7日(火)-12日(日)
 12日(日)午後6時~24弦琴ライブ:入場料1500円

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-06-23 12:42 | Comments(0)


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