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テンポラリー通信

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2009年 05月 01日

夏の年の始まりー歩行の縦軸(27)

昨日今日と一気に気温上がる。快晴。
ぶ~んと自転車で角を曲がったら、バンとなにかとぶつかる。
アブか、蜂だ。虫たちも元気だ。桜の樹もほんのりとピンク。
西の山並み、山頂付近はまだ白く残雪。霞んだ空に青と白が滲んでいる。
連休の挾間(はざま)、北大生たちが自転車でびゅ~んと飛ばす。
人も樹も草も虫も活気づく。この勢いは自然とともにある。
しかし街にはこの早さが一年中ある。
地下街、駅周辺の舗道を、カッカ、カッカと高い踵の靴音を響かせ、早足で歩く。
札幌駅ー大通りの地下鉄は丸の内状態で、一気に人が乗り込む。
乗り換えの大通り駅では、降りるや否や人が走り出す。
円山公園駅もそうした人たちの住む高僧マンシヨンが多くなった所為か、
早足、カッカ、カッカ族が増えた。
都市と同じ直線の速度。時間も直線である。
周囲を余りきょろきょろしないで、目的地という結果優先。
遅い事は負けなの。先頭に立って、時代に遅れちゃ駄目。
今日の明るい陽射しの中の弾ける速度とは、違うものだ。
この時間の違いで思い出すのは、いつも「モモ」の物語である。
時間をお金に換算する時間貯蓄銀行と契約した時、灰色の男はこう宣言する。
「あなたはいまや、ほんとうに近代的、進歩的な人間のなかまに入られたのです、
 ・・おめでとう!」
このあとミヒャエル・エンデは、次のように書いている。
<けれど、時間とは生活なのです。そして生活とは、人間の心の中にあるものな
 のです。人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって、なくなって
 しまうのです。>
すごい勢いで北の夏が始まり、今までの抑えられた地中の芽が吹き出す。
短く集中する跳躍・発生、このバネのような春は、正にSpringである。
その速度と明らかに相違する時間の早さを、生活(ライフ)=命の時間と混同して
はならない。
命の時間から表出する表現者が、明白に違う時間の拠点に身を委ね近代的、進歩
的と誉め称えられるなら、それはもう「モモ」の敵となる灰色の男たちの軍門に下っ
た犠牲者と同じ次元なのだ。

*熊谷榧(カヤ)展「北の山と人」-5月3日(日)まで。
 am11時ーpm7時

 テンポラリ-スペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-05-01 13:03 | Comments(0)


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