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テンポラリー通信

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2009年 04月 11日

青の極ー歩行の縦軸(10)

早川禎治「南半球舟行」を読み終えて、2月の鮮烈な沖縄行とどうしても重ねて
いる自分がいた。そこにあるのは青の深度である。
珊瑚礁の千瀬(コーラル・リーフ)、その内海の青と、外海の青の相違。
その青の極に、南極の青があるという想念である。
<いまこうして氷河の断面の青をながめている。すでに、この白は海をまえにし
 て青に変貌していることに気づく。・・・ここでは白は赤をへずして、いきなり青と
 なる。・・・それにしても、ひとつわからない。この海の色だ。いままでへてきたど
 の大洋も青かった。海はかならず紺碧の空をうつしてあおく光輝にみちていたと
 おもう。>
古代の日本人は、色の呼称が青、赤、白、黒の四色しかなかったという。
沖縄でも近年まで同様だったという。私たちが知る四季を表わし、方位を表わす
言葉にその四色が付いている。早川禎治が南極の海で見た青は、白と黒の支配
する青である。
<・・海の色のこわさをどう表現していいかわからない。太陽が光かがやいてい
  たにもかかわらず海は陰惨な色にしずんでいたのだ。>
黒に収斂される青の終極。そうした青を想うのだ。
そしてそれは、あの透明な青い函のような島沖縄で感じたものと、どこか通底する
なにかである。
青春・朱夏・白秋・玄冬と四季を顕す四色に、色彩の濃い磁場を感じるのだ。
そういえば人の年齢層も青年という。さしづめ早川さんは白年もしくは玄年だろう
が、その心はいまだ青・朱年である。
この青から玄まで往還し螺旋する生の精神構造は、段階を固定して捉えることの
出来ないものと想える。この往還に生きる事の強力な磁場もまた存在すると思え
るからだ。
沖縄の美術家豊平ヨシオさんの声の招請から、18年ぶりの再会を2月に果たし
その鮮烈な沖縄・青の体験を経て、今こうして早川禎治さんの南極行を読み、青
の不思議な連続性を思うのである。
朝快晴の青空。その下を走りながら一日にも四色のリズムがあると思った。
薄暮、闇は白と玄。朝昼は青と朱。身体もそのリズム、色彩の諧調がある。
個として身体が刻む四色の時間。そして大きな地球の色彩・諧調。
この身体に刻まれる諧調の磁場を開き、顕在化しなければならない。
命、革めるとは、身体に眠る磁場の再生と思える。

*佐佐木方斎展「メタレリーフ」-4月7日(火)-17日(金)
 am11時ーpm7時:月曜定休・休廊

 テンポラアリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-04-11 11:59 | Comments(0)


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