雪・曇天が晴れて、光が美しい。
光る朝。
昨日制作された鉛の造型が、窓上の壁に天女のように飛んでいる。
多分お酒好きと思われる人が、キリンのマークみたいと、言った。
そういえばそうも見える。
窓口の氷柱、吹雪に吹き付けられた窓ガラスの白い影。
ここも絵になる。
夕方一段落してから、会場に椅子を出し、野上さんと飲む。
色んな話をした。
ひとつの型から様々な形の変容。板に焼け焦げた鉛の熱の痕。
そしてそこから生まれた銀色の鈍い光の造型たち。
吹き抜け2階上に向かって、梢のように広がる。
尾道で定住する事を決意した青年の心のように、
ひとつの集中する行為が開かれて、今がある。
生きる事の根と、作品表現の根が素直にある。
野上ランドだなあと思った。
あと一週間でさらにこの空間は、彼のさっぽろ、
彼の想いのランドとなっていくだろう。
そうしてここを立つ。それでいい。
心の拠点としてそれがあれば、もう何処へ行ってもいい。
自分なりの自分であり得る。そう思うのだ。
地理・時間・その境を自由に行き来する心の軸心があればいい。
俺は俺だからと思うがいい。
冬の朝。その光のように新鮮に世界と触れる。
明日私も沖縄へ行く。
留守を野上さんに頼んで、遠い友人彫刻家豊平ヨシオさんに会いに行く。
18年ぶりの再会である。
南の島沖縄で生きる人に、北の島石狩・さっぽろを心に抱いて会いに行く。
それが自分の軸心だから。
そんな風にいつか、広島で生きる野上さんにも会いに行くだろう。
昨夜のふたりの話は、そこで終ったのだ。
*野上裕之展「i」-2月17日(火)-22日(日):24日(火)-3月1日(日)
am11時ーpm7時月曜定休・休廊
*佐々木恒雄展ー3月3日(火)-15日(日):網走帰郷前最後の個展。
:14日(土)は作家結婚式の為臨時に休廊致します。
*小林由佳写真展「ソノサキニシルコト」-3月17日(火)-22日(日)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503