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2009年 01月 31日

如月へーmata-pa(冬の年)(24)

1月も今日で終り。明日から2月・如月(きさらぎ)。
1年で一番短い月がくる。寒く、短く、1年の臍(へそ)のような月。
ニ・八などといい景気の上向かない月でもある。
うるう年には一日多く、他の年は28日間である。
僅か2,3日だが月末が短いと慌てる事がある。なにか損をした気になる。
高臣大介展も一週間を過ぎようとしている。
今年は新たな挑戦として、灯かりの世界を試み、キャンドルスタンドを創った。
ボール状の器に水を張り、そこに蝋燭を浮かす。ゆらゆらと灯かりが精霊流し
ように揺れて、透明なガラスを透かして炎が洩れ、水も揺れる。
ただの蜀台ではなく、様々な趣向を取り入れ灯かりを演出している。
このところ大介さんは、蝋燭の芯造りの熱中している。融けた蝋燭を色んな形に
整形して芯を通し、せっせと溶解したキャンドルを取り替え補給しているのだ。
ガラスと蝋。素材は違うが、火により融け、冷やして固めるという過程に共通性が
ある。職人魂に火が点いたのか、蝋によるものつくりに熱中している。
奥の事務所は工房と化してきた。音楽もいつものバッハやジャズから、気に入っ
たロックに変わり、そのリズムで制作に打ち込む。
午後5時以降はすべての照明を消し、灯かりだけの世界になる。
これまでの器・花入れを主体とした展示空間とは異なり、今回は灯かりのショー
の様相である。正直なもので、その分いつもより昼の来客が少ない。
彼の透明なガラスは陽光に映え、自然の光に最高の色彩を演出するものだが、
今回は光そのものを外光だけに寄らず、内側から光を発する灯かりに器を置いて
、夜のガラスの存在に挑戦している。
本来の冬なら、暗い外界には白い冬の底の気配があり、その白い残光がきりっと
暖かな炎の光と対峙して、ガラスの透明感を引き立てる筈なのだ。
そこに、人が集い、光の冷涼感と暖かさが彼のガラスの周りに満ちている筈だ。
ガラスに冬の透明さと暖かさを同時に感じさせる試み。それが、今回の眼目であ
る。冷気はあるが、北の白がない。冬の光が今不足しているからだ。
1月はやむなくそうして終るだろう。
如月、2月にあと一週間の会期のなかで、想い描いた白い冬は訪れるか。
<きさらぎ>という美しい響きに、どこかガラスの触感に似たものを感じながら、
1月を終える今日である。

*高臣大介冬のガラス展「gla_gla CANDLE show」ー1月27日(火)-2月
 8日(日)pm1時ーpm7時:月曜定休・休廊
*佐藤義光花個展「別世界」-2月10日(火)-15日(日)
*野上裕之彫刻展ー2月17日(火)-22日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2009-01-31 12:57 | Comments(0)


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