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テンポラリー通信

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2009年 01月 14日

豊平ヨシオさんのことーmataーpa(冬の年)(10)

沖縄在住の美術家豊平ヨシオさんと会ったのは、’92年11月の末の事である。
札幌個展で初来札した時だった。数日間も滞在しただろうか。
それ以来一度もお会いする機会がないまま今日まで過ぎた。
この間何人かの友人が沖縄を訪れ、その度に私は豊平さんを紹介した。
帰ってきた友人たちの話の中で、豊平さんはいつもさっぽろを、北海道をこよなく
懐かしがり、熱く語った事が伝えられたのだ。
沖縄に生まれ、東京芸大を出て、再び沖縄で現代美術の作家として生き抜いて
いるこの孤高の美術家が、北で何を感じ、どうしてここまで熱い友情を抱いてい
るのか。その友情の確認の為にも、一度は沖縄を訪れなければならないと私は
感じていた。昨日のチQさんからの電話は、その思いをさらに深く推し進めるもの
であった。
昨年7月夜咽ぶようなお電話を豊平さんから頂いたとき、思わず来年2月伺います
と返事をしたのだが、それは札幌録音後の及川恒平さんのライブの真最中の時で
もあった。今回チQさんが豊平さんと会っていた時もまた、及川さんのライブの時
である。北へと熱い思いが濃くなっている時間に、期せずして同じ波長が北と南
から発せられていたのだ。この偶然の符合は何なのだろうか。
沖縄米軍基地の倉庫の床材、古いテント地等を素材とした豊平さんの作品は、
南島の豊かな色彩、光とは正反対の濃く凝縮した玄(くろ)の作品である。
溢れるような色彩を過剰なまでに叩きつけるようなチQさんの作品世界が、その
根底において凝縮する玄(くろ)を、もし獲得することがあるなら、正に沖縄の玄
(くろ)のような豊平ヨシオさんとの出会いは、あるカルチャーショックに匹敵した
と思われる。そのような出会いこそが、チQさんの求めた南島への旅の原点と
なると思われるのだ。豊平ヨシオの抱える現代沖縄の濃い玄(くろ)は、沖縄が
歴史的にも現在抱え込む真摯な闇の玄(くろ)である。
翻って北の島北海道もまた同じ現代の位相の玄(くろ)を孕んでいる。
その固有の玄(くろ)を、チQさんが作家として如何に身体化し得るか、表現のコ
アとして獲得し得るか。そこに今回の旅立ちの意味もある。
私は来月の沖縄への旅を通して、その北と南の玄(くろ)をしっかりとわが身に
見詰めたく思う。殖民地都市札幌の北の玄(くろ)を抱え、沖縄のさらに深い玄(く
ろ)と出会う為に。

*佐々木恒雄×チQふたり展「ランド!ホップする時」-1月18日(日)まで。
 am11時ーpm7時
*高臣大介ガラス展「gla_glaCANDLEsshow」
 1月27日(火)-2月8日(日):初日イヴェント・あらひろこカンテレライブ
 午後7時半~入場料1000円
*佐藤義光花個展「別世界」-2月10日(火)-15日(日)
*野上裕之彫刻展ー2月17日(火)-22日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2009-01-14 13:54 | Comments(0)


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