テンポラリー通信

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2009年 01月 08日

新しい眼鏡ーmataーpa(冬の年)(5)

昨夜佐々木恒雄さんと晩飯を食べていると、佐々木さんの携帯に電話ある。
チQさんからだった。千歳の実家でご両親とじっくり話したと言う。
新聞記事は両親も見て喜んだと言った。これで今日心置きなく沖縄に向かう。
お母さんが新しい眼鏡を買ってくれたと嬉しそうだった。
細かくデザインまで話してくれた。新しい眼鏡、新たな地平。いい旅立ちだ。
昨日夕方、チQさんの制作した作品をあらためて飾り直す。
空間がきりっとして空気が通う。
これで佐々木さんも、チQさんのいない会場で制作を続ける体勢ができた。
チQさんの太陽のような明るい色彩を見ていると、彼が何故沖縄へ移住しようとし
たかが解かるような気がする。この色彩のような南に住む事できっと何かに気付
く。玄(くろ)が内側からせり上がってくる。その玄(くろ)とは、(色の底に赤色がま
だ残って見える)黒である。それがきっと彼の内なる北、さっぽろ、いしかりである
。此処を出て、作品世界の色彩のような南の島に住む時、太い描線のように内か
ら<北>の色彩が生まれるに違いない。その時彼は再び新しい眼鏡をかけるよ
うに、北を意識化し描ける。
<糸を黒く染めるには、赤や紫やいろいろの色を重ねて染める。> 
この状態を「玄」というと言う。玄冬の旅立ち。
その玄冬がきっといつか顕われると私は思う。
離れる事で見えるものがある。
チQさんは、画家として今その過程、まっしぐらにある。
一方の佐々木恒雄さんは網走の風土、その色彩を正に玄(くろ)として保っている。
彼の色彩はイシカリのものではない。オホーツクの濃い玄(くろ)が基調なのだ。
その玄(くろ)から色彩が解(ほど)けるように顕われている。
その色彩の基調低音がオホーツクの玄(くろ)にあることを、今確認しつつある。
だから、彼が故郷に帰るのはもう必然の過程と思う。サッポロという都会にもう彼
の色彩はないからである。オホーツクの海の色を私は知らない。しかし、彼の絵
を通して想像は出来る。流氷の冬、束の間の夏。濃い玄(くろ)の凝縮した色彩。
重ねられたその玄の色こそが佐々木さんの北であると思う。
閉じ込められたそれらの色が今、解(ほど)かれつつ会場に姿を顕しつつあるか
らだ。ふたりの固有の色への旅は、解(ほど)きつつ、凝縮しつつ、それぞれの
<玄(くろ)>、北への旅として、いま始まったばかりと思う。

*佐々木恒雄×チQふたり展「ランド!ホップする時」-1月18日(日)まで。
 am11時ーpm7時月曜定休・休廊
*及川恒平ソロライブ「冬の鏡」-1月12日(月)午後3時~
 入場料3000円・予約2500円:定休日開演。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel.fax011-737-5503
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by kakiten | 2009-01-08 12:04 | Comments(2)
Commented by rika_okubo3 at 2009-01-09 04:06
中森さんの言葉からはいつも、じわりとしたあたたかさと覚悟を感じています。
その度、風雨にさらされながらなおそこに在る杭を打たれたような心持ちになります。

玄は中森さんの色でもあるな、と思いました。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。
Commented by kakiten at 2009-01-09 10:45
rika_okuboさん>そうですかね、そんな・・と、照れますね。
今年もこちらこそよろしくお願い致します。ありがとう。


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