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2017年 01月 05日

雪景色・風ー広い河口(4)

雪景色に吹く一陣の風のように人が訪れ去って行く。
森本さんの作品が無くなった今朝のテンポラリースペース、
白い壁・・・。
そこに明日尾道に帰る野上裕之さんが、一刻顔を出す。
そして閉店したばかりのゆかり宇田川洋さんが10年の
記録小冊子とお酒を持って来る。
みな早々に慌ただしく去っていった。
なにかまだ年末の感じ・・・。
それぞれの人生、ひとつの節目を超えた一年だった気が
する。
宇田川さん東大退官後の居酒屋ゆかりの10年。
札幌から尾道移住後の船大工修行そして結婚・一子
二子誕生の彫刻家野上裕之さん。
福井県鯖江市に移住・結婚・出産後初個展の森本めぐみ
さん。
宇田川さんとは「札幌碧の運河エルムゾーンを守る会」
で共に闘い、野上、森本さんとはそれぞれの作品を通して
テンポラリースペースで磁場を共にした。
そのひとつの折り返し地点のように今、時間が過ぎていっ
た気がする。

滋賀県から帰省中のI氏が、購入してくれた森本作品を
取りに来る。
購入時が初対面だが、気持ちが通じて村岸君の話やら大野
一雄の話をする。
そして大野先生の石狩河口公演映像と村岸の遺された映像
を見せる。
村岸の映像は国際短編映画祭グランプリ受賞で、遺作追悼本
をI氏が購入してくれた御礼だ。
I氏もまた版画を制作しているという。
いずれ何時かここで個展をしたいという。
今回の帰省で森本展の訪問が、ひとつの転機になるかも知れ
ない、そんな予感がする。

行く人、来る人・・・。
そんな正月5日。

*高臣大介ガラス展「奏でる」ー近日予定

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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# by kakiten | 2017-01-05 18:14 | Comments(0)
2017年 01月 04日

最終日・2ー広い河口(3)

最終日終盤近く人の切れる事がない。
新婚の二組を始め、なにか幸せそうな人たちが、
作品を楽しんでいる。
懐に余裕のある人は作品を購入し、余裕ない人は
「百年の予定」カレンダーを購入してくれた。
そして閉廊近く帰省中の詩人の文月悠美さんが来る。
彼女の第一、第二詩集の装丁を飾ったのが森本さん
の絵画作品である。
展示を手伝った秋元さなえさんに紹介する。
そこへ美術家の田村陽子さんが見える。
ふたりが展示を見終えた後、奥の談話室へ。
すると田村さんがフランスパンとチーズ、それに
お重に入った正月お節料理を取り出した。
さらにワイン。
早速ワインを開ける。
お節料理にフランスパン・ブルーチーズを肴に
乾杯だ。
そこへジャンベ太鼓奏者で画家の鼓代弥生さん
が来た。
みんなでもう一度乾杯。
20代、から50代まで各世代の優れた女性達が
ひとりづつ経験と今の仕事を語り出す。
そこに年齢差はない。
文月さんの最新エッセイ集「洗礼ダイアリー」、出版
されたばかりの最新詩集「わたしたちの猫」を読み廻
しながら話は跳ぶ。
未婚の人、離婚した人、子育てを終えた人、それぞれ
の境遇の中で詩を書き、美術を続け、音楽を奏する
志を保った人たちの世代・境遇を超えた暖かな心が
美味しい料理とパンとワインで花開く。

最終日森本めぐみさんは39度の風邪熱で母子共々
居なかったけれど、作品はその空隙を埋めて多くの人
たちを楽しませてくれた。
異例の大晦日正月の展示は、こうして熱く和やかに
今日の搬出を終えた。
ご主人の山口大樹さんとお義母様の協力で、無事
後片付けも終了する。
ここでもメグ&タイキだったなあ・・。
ねえ、ケン&アヤ、キッツ&ナッツ・・・。

作品の中にしっかりと自らの日常・風土を刻み込み、
荒れた天気で帰省遅れの疲労等が重なり、風邪に
ダウンもあったけれど、心身ともに見事な里帰りの
展示だったと感銘する。

ありがとう、メグ&タイキ、そしてふたりのご両親・・・。

*予定・高臣大介ガラス展「奏でる」

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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# by kakiten | 2017-01-04 14:05 | Comments(0)
2017年 01月 03日

最終日ー広い河口(2)

森本めぐみ展最終日。
森本作品をずっと見続けていた人たちが多く来る。
話していると、その上で今回の作品展開を非常に
心地よく反応している様子が分かる。
作家本人は今日熱が下がらず、赤ちゃんも熱が
あり、こちらには来れないと連絡があった。
美術家のN君が絵を購入してくれたり、高専時代
の東京の友人が来てくれたり、本人も同席できず
残念だろう。
でも作品が雄弁に今を語ってくれている。

今回用意されたゴールデンマウンテインのカレンダ
ーの裏表には、2017年と百年後の2117年が
刷られている。
「百年の予定」展タイトルに呼応するものだ。
恵庭岳に似た、尖ったこの山の絵のモデルは、タイ
のソース瓶の商標ラベルのものだ。
国境を越えて故郷と繋がる尖った山。
性別・生い立ちを超えて繋がる結婚。
そんな境(さかい)を意識しつつ、界(さかい)を
保ち繋がる男女・親子・故郷・他郷の普遍的経験が
作品世界にも投影されている気がする。
出産も育児も福井県鯖江市の生活もすべて初めての
体験だ。
その経験の中で故郷の恵庭岳が聳え、故郷の縄文遺跡
の記憶漆の赤が燃えている。
縄文・カリンバの卑彌呼のように、森本めぐみは
凛々しく生きている。
最終日も夕刻近くまだまだ訪れる人は切れそうにない。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー1月3日まで。
 am11時ーpm5時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503、
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# by kakiten | 2017-01-03 16:05 | Comments(0)
2017年 01月 01日

身駆・短駆ー広い河口(1)

元旦開廊早々、近くに住むOさん母子が来る。
6歳の娘碧ちゃんと3歳男の子顕くんの子連れだ。
碧ちゃんは零歳の頃から来ているので、ここはもう
お馴染みの場所である。
弟を先導し梯子を登る。
3歳の顕(あきら)君は、ここは二度目だか、体で
覚えているのか、梯子登りに初挑戦する。
膝を使い足の底を使い登りに成功すると、もう止まら
ない。
2階奥の階段を私を呼んで声に合わせ短い足で下り、
再び梯子登りに挑む。
額に汗びっしょりかきながら姉・弟、身駆・短駆。
駆け回っている。
掌大の卵形の作品の前でふたりの記念撮影。
これがぴったりだった。

小さな身体を使って、全身で空間を呼吸する。
作品を鑑賞するという頭脳の詳細化・観念化ではなく、
皮膚呼吸のように空間と同化し一体化する。
大人には喪われた会場経験が甦っていた。
会談を降りる毎にオジサン、オジサンと立ち会いを
求められ小3,40分・・・。
オジサンも些か疲れた次第だ。

昼過ぎ賑やかな家族が去って間もなく網走の漁師・画家
佐々木恒雄さんが来る。
彼も同じく子供が出来たばかりの境遇だ。
2階回廊壁に飾られた育児のスケッチ連作に、佐々木
さんも甚く共感している。

3歳から壮年期まで、一体感共感が空間に木魂して、
3日目元旦豊かな会場である。

*森本めぐみ「百年の予定」展ー1月3日まで。
 am11時ーpm5時:2日(月)定休日休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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# by kakiten | 2017-01-01 16:43 | Comments(0)
2016年 12月 31日

初日ー茨(イバラ)・戸(ト)(30)

大晦日の朝、
街が静かだ。
地下鉄も乗客が少ない。
うっすら新雪が積もり、陽光が白く反射している。

昨日森本めぐみ展初日、多くの人が来たようだ。
私は今年最後の通院で、夕方近く留守をする。
森本さんと赤ちゃんご主人が終わりまでいてくれた。
芳名録を見ると。尾道の船大工・彫刻家野上裕之さん
ご夫婦が来ていたようだ。
毎年お盆・正月の帰省に第一番に顔を出してくれる。
森本さんの大学の先輩でもあるので、今回の展示は
どう感じただろうか。
共に札幌を離れ今は尾道と鯖江に暮らす。
結婚し子供を設け彼の地で生きている。
そしてなお自分の本来の志、彫刻と絵画を続けている。
男女・年齢の相違はあっても、その生き方には共通
する何かがある。

今回の帰省に合わせ、年末・年始だけの、短いが濃い
会期である。
森本めぐみ展「百年の予定」が始まった。
素晴らしいパワーだ。
この場が、心の<故・里>。
それゆえ(故)、と繋がる場が(里)なのだと思う。
自然・風土は日々姿を変え、郷も里も消えていくが、
心を繋ぐ故(ゆえ)は、喪失してはいない。
10年ぶりに来た滋賀県在住のI氏が、森本さんの作品
一点購入してくれる。
そして6年前森本さんが大作を制作・展示した時、作品
に感動しミュージシアンのIさんは新曲を創り歌い後に
初CDに収録した。
そのIさんが、やはり作品を購入してくれた。
I氏やIさんにも森本作品は心の里でもあるのだと感じた。
郷や里を構成する自然風土が希薄になっている現在。
それを埋めるように、美術・芸術・文化がある。
変わらぬ心の拠り所として、時代・社会に対峙し求めて
いるように感じるのだ。

穏やかで静かなそして熱い人たちの年末森本めぐみ展風景だ。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー1月3日まで。
 am11時ーpm5時:2日(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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# by kakiten | 2016-12-31 16:17 | Comments(0)
2016年 12月 29日

百年の過去・未来ー茨(イバラ)・戸(ト)(29)

森本めぐみさん、展示ほぼ終わる。
後は最終微調整を今日予定。

太田ヒロさんの葬儀の模様が伝わってくる。
心ある友人たちが多く集まり良い葬儀だったようだ。
急遽参列者の展示や演奏もあったという。
死は時として生前見えなかった故人の地中の根のよう
な生を顕す。
百の過去が百の生を刺激する。
ひとつの生の終わりが、生きている今の生の根を
照射する。
自分も含めて今回友人たちがより一艘深くその心の根
を張っている存在として感じられたのだ。
土に還るとは、この事実を言うのだろうか・・。
死して、生者の心の土になる。

明日から森本めぐみ「百年の予定」展が始まる。
象徴的だなあ~、ヒロさん・・・。

もうひとりの百年の人、吉増剛造さんからfaxが届く。
機械不調で判読できず、電話をする。
昨晩の新宿ピットインでの大友良英氏との白熱のコラボ
の報告だった。
舞台で新たな「怪物君」も制作したという。
その様子を鈴木余位さんに撮影してもらい、かつ作品と
ともにこちらに送るという。
「火ノ刺繍」展示のコアが出来たよ・・と、。
今から明年4月の個展に懸ける集中が続く。
そういえば前回「怪物君 歌垣」展オープニングに太田
ヒロさんが珍しくも来ていた。
そして後日吉本隆明の「日時計篇」第一巻を持参し後記
に吉増さんが書いている、と言って置いていった。
吉増さんのGOZOCINEバックに流れる演奏は、ある
期間ドラム奏者富樫雅彦が多い。
この人もまたある事故で足を傷めドラム演奏を変えた人
である。
ドラムを捨て新たな打楽器を育てた太田ヒロとドラムを
捨てず奏法を変えた富樫雅彦。
ドラムが繋ぐ不思議な縁がこの時あったのかも知れない。

ヒロさんの葬儀でヒロさんの打楽器を使い小樽の橋本洋輔
さんが演奏したという、
するとヒロさんの奥さんが、この音色よ、といって楽器を
叩き直し演奏したという。
それが全くヒロさんの音だったよ、と橋本さんが驚く。
富樫の足の事故は奥さんに刺された事という。
しかしその後の演奏は素晴らしく多くの賞賛と賞を得た。
これは私の感じ方だが、奥さんの憎しみより愛の深さ・濃さ
ゆえの刃傷事件だった気がするのだ。
そして富樫は再びドラムに立ち向かった。
ヒロさんにも素晴らしい奥さんが、葬儀を仕切ったと聞く。
百年の過去・未来。
寄り添うようにケン&アヤ、キッツ&ナッツ、
ゴーゾ&マリリア、ヒロ&・・が「百年の・・」を流れている。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日
 am11時ーpm5時:2日’(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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# by kakiten | 2016-12-29 14:24 | Comments(0)
2016年 12月 28日

「百年の予定」ふたりのバイクー茨(イバラ)・戸(ト)(29)

森本めぐみさんがお父さんの車で来る。
展示作業が始まる。
赤ちゃんはお父さんの車で睡っている。
その間に手早く作品を飾っていく。
小さな掌大の卵状の板に描かれている作品が
ざっと10点余り。
乳飲み子を抱えつつ制作した作品の展示作業だ。
やがて赤ちゃんが目を覚まし、父上が抱いて
入って来た。
赤ちゃんを娘にバトンタッチした父上に奥で
お茶を出す。
ふっと想い出し、ハーレーのバイクの事を聞いた。
かって恵庭から芸術の森の近くの高専まで、森本
めぐみさんをハーレーの補助席に乗せ送り迎えを
していた父上を思い出したからだ。
派手な大型オートバイにちょこんと補助席の可愛い
女の子。
それを目撃したWさんやMさんが、何時ぞや森本さん
と会った時にその話題となり、私も聞いていたのだ。
そして恵庭渓谷近くでバイクで谷に落ちた太田ヒロの
事も頭に浮かんでいた

今もハーレーに乗り続けています。
体が続く限り乗り続けます・・・。

と真面目な顔で父上は答えた。
出産に制作とふたつの里帰りをこなし、素晴らしい
ですね・・・と話すと、どっちに似たんだか・・・と
小さく笑った。

掌大の卵状の板に描かれた作品は、動画の一つ一つの
ように並べられ世界を創っている。
山田航「水に沈む羊」展で一部展示された作品の流れだ
が、さらに数を増やし世界が拡がっている。
数年前ここで壁一面の大作を制作・展示した時に比べ、
一点一点は小さいが、これなら赤ちゃんの世話の合間に
も少しづつ描き続ける事が可能なのだ。
そして数が集合すれば、ひとつの大きなストーリーが
展示のヴァリエーションによって自在に生まれる。
細かな位置点検は明日以降にして、ハーレー父・娘・子
は夕刻恵庭へ帰っていった。

もう太田ヒロさんの葬儀には出られそうもない。
明日も通院もあり無理そうなので、家の仏壇で手を合わせ
冥福を祈り、出会いに感謝する。

10年前2006年1月円山北町最後の高臣大介展夜。
ヒロさんは壮絶なライブを終え、その夜ぶっ倒れて寝込み
続け明け方。
その時ヒロさんが見たという長い髪の白い服の女性。
幻の精霊を見たヒロさん・・・。

ヒロさん。あれはやはり円山北町でともに時を重ねた前庭の
白樺の精霊だったと思います。
ヒロさんでなければ、感応できない事です。
その白樺は同年7月、ここで最初で最後となった村岸宏昭展
の主役白樺にも繋がっていたように感じています。

ヒロさん、節目節目で大変お世話になりました。
私以上に高臣大介、谷口顕一郎、橘内光則、中岡りえ、村岸
宏昭・・と、見えない所でお世話になってた気がします。

今、そんな気がしています。
ありがとう・・・
合掌。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日。
 am11時ーpm5時:2日(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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# by kakiten | 2016-12-28 14:29 | Comments(0)
2016年 12月 27日

逝く人・来る人ー茨(イバラ)・戸(ト)(28)

赤子を抱いて無事帰省した森本めぐみさんが来る。
一部展示作品の搬入、そして明日定休日に大きな物
も運び込みたいと言うので合い鍵を渡す。
もう6ヵ月だろうか、前回見た時より首が据わり
じっとこっちを見る。
吉増剛造さんの最新GOZOCINEを見せた。
リストの曲に合わせ絵筆を草稿に叩きつけている。
そしてタンタンタンと口ずさむ。
喜ぶ赤ちゃん、そしておしっこ・・・。
オムツを拡げ手早く交換。
その時画面では上から青い絵の具を草稿に注いで
いるシーン。
まるでオムツみたい・・・。
森本さんが喜んで唱和する。
タンタンタン・・・。
そして言った。
まるでヨシマスさん、3歳の男の子みたい・・・。

画面に映っていた作品は、映像と共に送られて来た。
まるでチルド状態のように、絵の具が濡れて畳まれて
いる。
最初見た時は、その生々しさに腰が引けて、開く気が
失せる。
しかし今回は、森本さんと赤ちゃんのおかげか無心で
開く事が自然だった。
ヨシマスゴーゾー、ゼロ歳と唱和す・・・。
ネオ怪物君の誕生の産声・おしめの目撃のようだった。

森本さんが帰った後、小樽の橋本洋輔氏から電話が入る。
打楽奏者太田ヒロさんが今日午後3時に死去したという。
ガラス作家の高臣大介さんにも連絡して欲しい・・・。
すぐに高臣大介に連絡する。
太田ヒロさんは、ここでの高臣大介展と縁が深い。
11年前円山北町閉店時最後の展示。
その時の高臣大介展で太田ヒロの入神の演奏を聞いた
想い出がある。
そして今の場所で再開されたテンポラリースペースの
最初の展示高臣大介展でも、太田ヒロさんが演奏した。
ここの場の節目、高臣大介の展示の節目と太田ヒロの
演奏は何故か重なるのだ。
若い時スピード狂でバイクで崖から転落し足を痛めた。
それから打楽器奏者として足を使えず、ドラムを捨て、
自ら叩きたいと思う素材を見つけ地中などに埋め保管。
そして演奏時に持ち出し、それを叩き独自の演奏世界を
創造した。
私が印象に残っている楽器は、札沼線の廃線鉄路を楽器
にした演奏だった。
これら彼独自の音への美学で選ばれた楽器たちを展示し
毎夜演奏する展覧会も、かって試みた。
しかしそれ以上に、吹きガラス作家高臣大介と打楽奏者
太田ヒロとの交友の深さが心に遺る。
吹く力の創造と叩く力の創造が、ともに共通の透明な形象
を象眼して響き合っていた気がする。

誕生・逝去・・・。
逝く人、来る人・・・。
年の瀬の風景だ・・・。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日:2日休廊。
 am11時ーpm5時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

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# by kakiten | 2016-12-27 13:58 | Comments(0)
2016年 12月 25日

光燦々・・ー茨(イバラ)・戸(ト)(27)

街のクリスマスイブの喧噪も明けて、晴天・青空拡がる。
白い饅頭のように積もった雪の輪郭が柔らかい。
街の佇まい、静かだ。
世界は、新しい年へ。
大晦日を過ごし、おせち料理を用意し、神社へ参拝する。
年の瀬、日本人の心の原風景が広がる。

真っ白な天地に静寂な祈りの世界。
北には清々とした、此処ならではの風景がある。
ぽっかりと浮く、梢の雪。
風の方向に吹き付けられた幹の白い影。
その反対側の濡れた黒い樹皮。
葉のない幹と枝の、青空に鋭く存在感ある樹の風姿。
祈りの姿のようだ。
天に拡がる枝・梢・幹は、見えない地中に根・根毛も
水という光を求めて垂直に地軸の中心に開いている。
宇宙の光の中心へ、地球の内なる熱の中心へ。
梢も根毛も天地の中心、祈る手のように、垂直な軸身
触れる指の震えを呼吸しているのだ。
人も同じ鼓動の中にいる。
祈りとは、クリスマスの西洋も大晦日・正月の日本も
本質的にはきっと変わらない。

喧噪の後に静寂がある。
静寂の内にこそ、踵の時間がある。
落葉の裸木と繁る樹木、両様が生命の形象だから、
梢と根毛の、明視・暗視の世界もあるのだ。

去る年・来る年、ふたつの年を駆けて、赤子を抱き帰郷
森本めぐみ展「百年の予定」が始まる。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日
 am11時ーpm5時:2日(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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# by kakiten | 2016-12-25 14:08 | Comments(0)
2016年 12月 24日

雪を漕ぐー茨(イバラ)・戸(ト)(26)

50年ぶりで、積雪90cmを超えたとか・・。
人も車も足を奪われて、ノロノロ。
久し振りに、<雪を漕ぐ>という言葉を想い出した。
しかしこういう時は、平らな道より漕ぐ方の道が安全だ。
通院の帰りいつも通る幅の狭い南6条通りは避けた。
除雪の雪山で舗道はさらに狭くなり、場所によっては
通られず、車道へと出なければならない。
車輪でツルツル路面に降ったばかりの雪が足元を脅かす。
そして、背後から車。
雪を漕ぐような道は背後の車もなく、万一転倒しても
雪の中で安全だ。
市電ー地下鉄乗り継いで、円山駅から環状線を歩く。
市電ー地下鉄路線は、ススキノ・大通り経由なので
いつも酔客が多く嫌いだが、イブ前夜の昨夜は大荒れの
天気の所為か人が少ない。
円山の道も大雪で、人ひとりがやっと通れる幅となってる。
両側は雪山で雪の底を歩いている感じ。
白い雪の海の底で雪波を蹴り、漕いで進む。
沖縄のサトマン君の今日のF・Bに、青い海の岸辺で
戯れる仲間の写真が載っていた。
水の凍てついた雪の白。
南の海の青い波。
水の色だ・・・。

同じ日のF・B画面に福井県から帰郷の森本めぐみさんが
無事恵庭の実家に着いたと、載っている。
縄文遺跡カリンバのある恵庭。
赤い漆塗りの出土品が多いと聞く。
漆という自然の荒々しい植物野生に立ち向かい、縄文人は
赤い漆塗りを創ったのだ。
そして自らの手で、赤も発色したのだ。
燃える火の色。
漆からその火の色を生み、器物を創った人間は素晴らしい。
森本めぐみさんの印象的な勝負色は、赤。
カリンバ遺跡の卑彌呼となって、年を跨いで「百年の予定」
展が始まる。
野生の白の荒々しい出迎えで、卑彌呼の赤はその彩を増す事
だろう。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日:2日休廊。
 am11時ーpm5時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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# by kakiten | 2016-12-24 15:42 | Comments(0)