テンポラリー通信

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2017年 12月 20日

高野圭吾詞画展終わるー最前列にして最後尾(41)

最終日は高野圭吾の命日だった。
竹本秀樹さんのパリ滞在中の数多くの小さな写真が、
高野圭吾のシャンソン訳詞とジャケット絵画の間に
跳ぶように浮かんで、2005年2月新橋・高野圭吾
最後の独唱会録音の歌声が流れた。
メロディーはシャンソンだが、唄われる詞は、彼の
生まれた北の街の空気が息づいている。
冬・短い春が立ち上がっている。
身も心も・・・。
身で感じる体温が、言葉の詞の中から立ち上がっている。
高野の描いた油彩画水中のオフエリアの姿が、春を待つ
冬の女神に見え、死の予感には見えない。
高野圭吾には冬の年のトニカが似合う。
札幌のシャンソン・・・。
その精神が垣間見えた。
日本の近代は、こんなところにも独自に根を下ろし
根を張ろうとしていたのだ。
まだ浅い苗木のように・・・だ。

短い会期だったが、高野圭吾の命日に合わせ果敢に
この展示を実行した峰艶二郎さんさんの実行力に
敬意を表したい。
私は今まで未知だったシャンソンという日本の近代
とともにひっそりと根付こうとしていた先人の札幌
人の存在を知った。
心より感謝している。

*岡田綾子展「metamorphosis-あいだの部屋」
 1月2日ー7日
*高臣大介ガラス展「紡ぎあう」-1月30日ー12日

  テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

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# by kakiten | 2017-12-20 14:22 | Comments(0)
2017年 12月 17日

高野圭吾詞画展始まるー最前列にして最後尾(40)

シャンソンを愛する峰艶二郎さんの企画で
札幌出身のシャンソン歌手にして訳詞家の
高野圭吾の詞画展が始まった。
来週19日火曜日には午後から峰さんの
ギャラリートークも予定されている。
高野圭吾についてはほとんど知らなかったが、
1934年札幌で生まれ、東京銀巴里で歌手
デビュー、自身のレパートリー、他の歌手の
依頼で、150曲以上のシャンソン訳詞。
美輪明宏、金子由香里、仲マサコ等に提供。
また画家としては武蔵野美術大学入学、卒業後
東郷青児に師事し二科会特選も受賞。
2005年逝去。
今回主題となっているのは、高野圭吾の精神
母胎である札幌という近代都市の風景・風土
である。
彼の産まれた1934年(昭和9年)から
成人の20年間とは戦争ー敗戦ー戦後復興を
跨ぐ大きな変化の時代であり、札幌も戦後の
大きな波動の中で都市風景も大きく変貌した
時代である。
日本の近代を問う中で特に大きな時代なのだ。
札幌という都市もまた黒澤明が戦後間もない
昭和20年代映画「白痴」の舞台を札幌にし
後年「影武者」撮影で訪れた時、”ここはもう
私の知る札幌ではない!”と怒った時間にある。
その中でシャンソンという日本に根付いた近代
が札幌という精神風土とともに、高野圭吾の内
部でどのように変わりかつ根付いているかを、
この展示は問い掛けてもいる。

そいて何時か2006年亡くなった翻訳家石田
喜彦の事を私は思い出していた。
彼は晩年テンポラリーで「ホップソングを訳す」
というカルチャーライブをしていた。
ビョーク、シンデイーローパ、ブルーススプリン
グステイン、ロバートジョンソン、ビリーホリデ
イー等を自らの訳詞で、解説した。
その結果CDに添付された訳詞とは違う、歌い
手の生きた時代・社会が浮き彫りになって立ち
上がり、曲の印象がより鮮明になり、旋律や声
だけで受け止めていた印象がより歌い手の人生、
時代・社会背景に裏打ちされて感受されたのだ。

私は高野圭吾にも、きっと同じシャンソン訳経験
・声表現が潜んでいると感じている。
その喪われつつある札幌近代土壌を、高野圭吾
の唄う歌、訳詞、絵画に見てみたいと思った。

今年5月初めて見た八木伸子さんの晩年80余歳に
描かれた「大通り風景」のリラ、そして大通り公園
の札幌モダニズム。
今考えられない風景なのだ。
どこか異国を思わせる札幌近代の風土。
それは異国のエキゾシズムの単なる模倣ではない
ポプラやリラのように根付いていたモダ―ニズムの
心の根の風景なのだ。
明治以降150年の欧米化ー近代化は、二度の転換
を経て今がある。
その明治維新ー敗戦という亀裂を経てなおも生きる
今という時代の縁を彩る真のモダニズムとは何か。
その心の風土を札幌という近代以前は野生自然しか
ない純粋近代都市で見つめてみたいと思う。

*「高野圭吾詞画展ー歌ことに生きて」-12月19日まで。
 am12時ーpm7時:月曜定休。
 19日午後1時~ギャラリートーク 峰艶二郎
*岡田綾子展「metamorphosis-あいだの部屋」
 1月2日(火)ー7日(日)

 テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




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# by kakiten | 2017-12-17 14:02 | Comments(0)
2017年 12月 14日

小さな泉ー最前列にして最後尾(39)

高臣大介さん第一子誕生との報ある。
女の子という。
昨年結婚し、今年はフランス滞在制作・展示、
続いてアメリカ滞在制作・展示。
そして今日は女の子誕生とドラマが続いている。
明年1月末始まるここでの展示タイトルは、「紡
ぎあう」と聞く。
2012年2月鉄の造形作家阿部守と清華亭と
テンポラリーで展示した「野傍ノ泉池」展以来
ライフワークとなったガラス作品テーマがここ
にきて公私に結実してきたかに思える。
十数年前千葉県から洞爺湖町に移住して来た
ひとりの男の地に根を指した生き様を見る気が
するのだ。
湧きだす水の一滴のようなガラスの一房が百一本
となり、毎年増えて今年は四百本、さらに千本を
目指すと宣言したが、彼の人生もまたそのように
湧き出て流れ世界と合流し広がる。
若い友人とのそれぞれのこの十数年を想い、湧き
出る一滴の、継続し触れて広がる志の力を思う。

*「歌ごとに生きてー高野圭吾詞画展」-12月16日ー19日
 19日13時~ ギャラリートーク 日本のシャンソン研究家
 峰 艶二郎
*岡田綾子展「metamorphosis-あいだの部屋」
 1月2日ー7日

 テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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# by kakiten | 2017-12-14 17:28 | Comments(0)
2017年 12月 12日

栃木・足利へー最前列にして最後尾(38)

カテーテル検査やシャント手術やらで、一日入院が
2度も続き急な寒気もあって体調を崩していた。
週に3度の透析治療も加わって、体力が落ちている。
そして今月24日の足利市立美術館での吉増展の招待
トークセッションに備えねばならぬ。
ひとりの偉大な作家の大きな節目。
何時の間にかそこに立ち会い、添っていた。
私は百十余年の祖父・父から継承した札幌の地を、自分
なりに自分の時代の底で掘り下げて根付く努力をして
いただけに過ぎない。
1981年都心の父祖の地を離れ、円山郊外に職場と居
を移動し、そこで発見した札幌という身体の血管のよう
に感じた暗渠の川ー界川を辿り、源流へ河口へと自耕した。
それは自分の産まれた地の再構築、カルチべートの試み
だったと思う。
その試行の中で出会ったひとりが、吉増剛造だった。
彼は彼の生まれた地から、奥多摩、福生、横田基地等を経て
1991年石狩河口「石狩 みちゆき 大野一雄」公演で出
会ったのだ。
そして翌年ブラジル滞在。
ある深い悩みを抱き2年後帰国。
1994年「石狩河口/坐ル」ー長編詩「石狩シーツ」誕生。
2011年「石狩河口/坐ル ふたたび」ー3・11以降を
模索する制作。「怪物君」「火の刺繍」・・・。
この2度重ねられた<石狩河口/坐ル>に吉増剛造の真摯な
生の起点が宿っており、私はその過程のほんの一部に立ち会
っているに過ぎない。
今回招かれ用意されたトークセッションのテーマ「札幌の
古・水・道(フシコ・ワッカ・ル)」は、正に私自身の基点
を指している。

大きな宇宙を包含する銀河のような吉増剛造と名もなき
暗渠の見えない川界川のような私とが何故栃木県足利市
立美術館個展最終日に出会うのか。
それは節目節目に立ち会ってきた友への、友情の要請と
私は思う。
多分ある大きな節目、多分ある大きな旅立ち、その宇宙に
立ち会うように呼ばれている。

私は私の素のままに。
私は私の少しだけ抱けた自分の故郷の宇宙を胸に。
そこできっと少年のように、それぞれ多摩川、界川で見
つけた宝物の小石を見せ合うように出会うのだろう。
そんな予感がする。
剛ちゃんの伏古(籠)・水・道の宝物と僕のそれとが・・・。

*高野圭吾詞画展「歌ごとに生きて」-12月16日(土)-19日(火)
 19日午後1時~ギャラリートーク 峰艶二郎(日本のシャンソン研究家)
*岡田綾子展ー1月2日ー7日

 テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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# by kakiten | 2017-12-12 15:38 | Comments(0)
2017年 12月 02日

凍結乾燥ー最前列にして最後尾(37)

11月の寒気日数105年ぶりという。
明治45年ー大正元年以来という事。
寒気・暖気の両振りが大きい昨今だ。
地球温暖化というけど、温暖化と寒冷化が大きく
先鋭化している気がする。

暫くお逢いしていなかった小林重予さんが死去
との報が届く。
心臓を患いテンポラリースペースの見える北大
病院13階に入院して、そこからここを時々
観察していたと一時退院した折メールをくれた。
彼女の散文を朗読した集まりの映像を今年送って
くれたのが最後の便りとなった。
明るく強い向日葵のような人だった。
最近では新しく建設される札幌市の文化公共建築
施設の展示作品候補にノミネートされ張り切って
いたが選ばれず、その悔しさをFBに堂々と載せ
ていたのが、重予さんらしく小気味良かった。
元々は工芸系の人だったが、美術家保科豊巳と
交流し美術へその本領を顕した。
代表作のひとつに札幌ドーム野外作品アートグロー
ブ展示作品がある。
私はアートグローブ企画自体を批判していたので
この頃から彼女とは縁遠くなった。
しかし今の場所に引っ越して彼女が北大病院13階
からいつもここを見下ろし、冬の雪かきやリラの花
が咲く路上を見ていたとメールを戴いた時、素直に
嬉しかったのだ。
そしていつか折りを見てかりん舎の坪井さんと一緒に
テンポラリーを訪ねるのが楽しみとも書いてあった。
もうそれも叶わぬ夢となった。

彼女は女性の太陽のような明るく強い側面を体現す
る人だった。
その強さはある時には自らを主にする余り、敵を
自ら生んでいた気もする。
作品への自負心が強烈にあって、明るい少女のよう
な向日性があった。
病名は「拡張型心筋症」
心臓もきっと太陽のような人だったのだろう。
今は病院の13階ではなく、本当の空からここを
見ていてくれるのかしらね・・・、重予さん。

寒気廊ー
寒さに凍える手を撫でながら、擦り合わせる掌(て
のひら)の微かな暖かさに、重予さんの明るさ強さ
を思い出していた。

*岡田綾子展「metamorphosis~あいだの時間」
 ー1月2日ー7日am11時ーpm7時
*高臣大介ガラス展ー前期1月30日ー2月4日
 後期2月6日ー11日
*鈴木余位+村上仁美展ー2月中旬

 テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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# by kakiten | 2017-12-02 11:33 | Comments(0)
2017年 11月 30日

身の丈(たけ)ー最前列にして最後尾(36)

このブログランキング欄に古い文章が揚がっていた。
ふっと読み返してみる。
2006年10月石田喜彦さんの死の時のものだった。
その年8月の村岸宏明さんの死とともに綴られている。
この場所を繋いだふたりの友人の死。
思い出すままに前後の日付のブログも読んでみる。
村岸さんのお母様が初めて尋ねて来た日の様子。
そして帰る時の笑顔。
そのお母様もまた故人である。
時が経ち閉じて終った魂たちが開いている。
私自身の心も開いてくる。
忘れかけていた記憶が語り掛ける。
石田さんのお嬢さんが初めて訪ねて来てくれた日。
たまたま置いてあった古舘賢治さんのCDを目にして、
同じ学校の同級生と知る。
故人を通して、人が再び繋がっていた。
村岸君と石田さんのここでの接点は音楽
石田さん最後の深夜の電話は、村岸君の演奏の話だった
と後に友人から聞いた。
翻訳家だった石田さんの青春の記憶は音楽だ。
その青春が20代の村岸君へ想いから火が点いたのだ。
閉じた蕾が開くように、蕾もまた固く閉じる時もある。
死もまたそうした自然の理なのだ。

古い11年前の日記を読み返し、寒気廊で凍える心も
ふっと暖かく感じられる。

*岡田綾子展ー1月2日ー7日
*高臣大介ガラス展ー1月30日ー2月中旬。

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# by kakiten | 2017-11-30 16:18 | Comments(0)
2017年 11月 26日

稲穂・ケン・鼠ー最前列にして最後尾(35)

稲穂の〆飾り制作中ドイツから谷口顕一郎さんが来る。
明年の札幌での大きな仕事の打ち合わせという。
この時制作中の前日きちっと揃えた筈の稲穂が乱れていた。
よく見ると稲穂の実が綺麗に無くなっている。
ふっと閃いたのが。鼠じゃないか!という疑念だ。
早速鼠捕りを二種類購入し設置した。
この辺からもうケンちゃんの出番である。
進入経路を想定し、粘着シートと古典的な鼠捕り籠を設置
し中にフライドチキンの残りを仕掛けた。
侵入経路を予測し最適な場所を想定するケンちゃんの眼。
これはもう天性のものだ。
そんな時罠造りに夢中の彼は、椅子に置いた粘着シートの
上に腰を下ろし悲鳴をあげた。
罠に掛かったネズミ男・・!
ズボンを脱ぎ股引一枚だ。

そして翌日朝、見事に一匹の丸々した可愛い鼠が籠の中に。
さらに処分・埋葬と必殺仕事人の手際の良さは完璧だった。
お米に鼠・・・とは大黒様の袋のようで縁起が良いね・・
と話す。
試作段階の鼠騒動を終え、今年収穫の稲穂は見事な飾りに
生まれ変わり、

 はかり売り と はかるもの
 いろいろある ものさし   トロッコ

の会場に収められる。

今回稲穂の〆飾り制作を見ていて、稲穂というものが
如何に日本人にとって豊かな存在だったかを痛感した。
実は米粒として、米粒そのものはさらに麹、酒、糠に。
稲穂は蓑、茣蓙、畳に。
そして稲穂の茎は、縄に、〆飾りに。
衣食住すべてに関わって、俵、坪、畳という物や空間
の土台ともなっている。
あらためて今喪失しつつある日本人の原点を再認識した
気がする。
尺度も広さも、基底にはこの稲穂がある。
3・3平方m=一坪
その単位の元になる尺貫法は、米を測る単位だ。
お酒も1・8リットルではなく、一合・一升から。
稲の穂・茎の過程を忘れて設定された既存の量だけを結
果として流通するインフラに私たちは今慣れ過ぎて生き
ている。
プロセスの豊かさを、物資の豊かさと入れ替えて、物流
:消費の世界を生きている。
<はかり売り と はかるもの いろいろな ものさし>
稲穂もきっと嬉しそうに花咲くことだろう。

 テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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# by kakiten | 2017-11-26 13:00 | Comments(0)
2017年 11月 12日

収穫・乾燥・〆飾りー最前列にして最後尾(34)

予定していた鈴木余位・村上仁美展が延びて空いた会場。
そこに村上仁美さんが、今年収穫した稲の乾燥させた稲穂
を多量に運び込み〆飾りの制作をしている。
友人の自耕地で毎年稲作を手伝い、収穫した稲穂。
その乾燥させたまだ実の残っている稲穂の形を選び、
穂の姿を活かして〆飾りに仕上げている。
数点出来て壁に飾ると、それぞれが個性的で美しい。
米粒を採った後、様々に利用された稲穂の歴史。
そういえば、祖父の時代割れ物はみな一俵という単位
の梱包だったのを想い出した。
稲藁で丁寧に巻いて包まれ要所要所は固く結ばれていた。
そして大きく梱包されたものが一俵。
解いた後の藁も大事に取って置いて、送荷の時にまた使う。
一俵梱包を終えポンポンと持ち上げ得意そうに締まり具合
を自慢した祖父の自信に満ちた笑顔を想い出す。

それらが甦る藁・・・。
しかし今なら緩衝材も含めてビニール、プラステック。
それらに比べなんと豊かで美しいのだろう。
壁に飾られた〆飾りは植生の豊かさに満ち、有機的な
形象の美に包まれている。
花そのものは無いが、見えざる花が咲いているようだ。
穂の美しさ、茎のたおやかさ。
陽の光を浴びて浮かぶ陰影の立体の美しさ。
稲と人間の長い付き合いは、全てに無駄なく衣食住に
繋がっている。
便利・便利・簡単・手軽、後はポイ捨ての現代人が喪っ
てきた何かが、今も藁には活きている。


*11月14日K~時間不定期ー展示ではありません。

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# by kakiten | 2017-11-12 14:25 | Comments(0)
2017年 11月 09日

こんにゃろ!-最前列にして最後尾(33)

上の妹が小さい頃、なにか気に食わない事があると、
眉を逆立てて”こんにゃろ!”と怒っていたのを、ふっ
と想い出した。
先日、下の妹とふたり速足の帰郷。
ゆっくり話す事もできなかったお詫びだろうか、下着類
を沢山送ってくれた。
お礼の電話をしたら、優しく気遣ってくれて、反射的に
”こんにゃろ!”の記憶が蘇ったのである。
十年以上寝たきりの夫を24時間看病し、看取った妹。
その苦労が、心の成長にも大きく寄与したのだろうか。
人を気遣う優しさを感じたのだ。
下に次女の妹・次男の弟がいて、長女としての我儘が通
らなくなった苛立ちが、きっとあの”こんにゃろ!”。
亡くなった夫の穿かなくなった物も入っているのだろうか、
取分け沢山の靴下。

急に気温の下がった今朝。
暖かい靴下を履き、ふっと遠い昔の妹を想い出していた。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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# by kakiten | 2017-11-09 13:47 | Comments(0)
2017年 11月 05日

旅(風)発つー最前列にして最後尾(32)

ホピ&カチーナドール展最終日。
朝の開廊と同時に来たふたり。
西の裏山に暮らす前から気になっていた人たち。
最近は量り売りの店を都心近くに開き、塩とか
油とかを持参の器に量って売る店を開いている。
ゆっくり話をしたのは初めてだが、ふたりが
カチーナドールを見る目に惹かれた。
2時間近くゆっくり主催者の天川さんとも話し
最後にふたりらしいカチーナを選び幸せそうに
仕事に向かった。
またひとつ志ある札幌の地にこの精霊が旅発ち。
人形という感じがしない。
風が発つようだ。

アリゾナ、砂漠の地。
そこで生まれた森羅万象の精霊カチーナドール。
穴熊、雪、蟻・キリギリスの精霊が、病・豊穣
・水の恵みを祈るカチーナ形象となって厳寒の
北の地に着地した。

 ソノ”皴”を”生”のなかで出逢う”死”のように
 わたしたちは編んで行く
 皴、皴、皴、皴、ーーカチーナドール、
    (吉増剛造「石狩シーツ」から)

風の波・・皴、皴 
生と死・・皴、皴
編んで行く、カチーナドール・・皴、皴、皴
人もまた森羅万象の一形象。
年に一度の再会・出会い、新たな旅発つ。
別れ・出会い、生・死の皴・皴・・・。

ヨシマスさん、足利美術館へ北の地からカチーナの報告です。

*ホピ&カチーナドール展ー11月1日ー5日まで。
 
 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

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# by kakiten | 2017-11-05 13:33 | Comments(0)