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2016年 12月 31日

初日ー茨(イバラ)・戸(ト)(30)

大晦日の朝、
街が静かだ。
地下鉄も乗客が少ない。
うっすら新雪が積もり、陽光が白く反射している。

昨日森本めぐみ展初日、多くの人が来たようだ。
私は今年最後の通院で、夕方近く留守をする。
森本さんと赤ちゃんご主人が終わりまでいてくれた。
芳名録を見ると。尾道の船大工・彫刻家野上裕之さん
ご夫婦が来ていたようだ。
毎年お盆・正月の帰省に第一番に顔を出してくれる。
森本さんの大学の先輩でもあるので、今回の展示は
どう感じただろうか。
共に札幌を離れ今は尾道と鯖江に暮らす。
結婚し子供を設け彼の地で生きている。
そしてなお自分の本来の志、彫刻と絵画を続けている。
男女・年齢の相違はあっても、その生き方には共通
する何かがある。

今回の帰省に合わせ、年末・年始だけの、短いが濃い
会期である。
森本めぐみ展「百年の予定」が始まった。
素晴らしいパワーだ。
この場が、心の<故・里>。
それゆえ(故)、と繋がる場が(里)なのだと思う。
自然・風土は日々姿を変え、郷も里も消えていくが、
心を繋ぐ故(ゆえ)は、喪失してはいない。
10年ぶりに来た滋賀県在住のI氏が、森本さんの作品
一点購入してくれる。
そして6年前森本さんが大作を制作・展示した時、作品
に感動しミュージシアンのIさんは新曲を創り歌い後に
初CDに収録した。
そのIさんが、やはり作品を購入してくれた。
I氏やIさんにも森本作品は心の里でもあるのだと感じた。
郷や里を構成する自然風土が希薄になっている現在。
それを埋めるように、美術・芸術・文化がある。
変わらぬ心の拠り所として、時代・社会に対峙し求めて
いるように感じるのだ。

穏やかで静かなそして熱い人たちの年末森本めぐみ展風景だ。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー1月3日まで。
 am11時ーpm5時:2日(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2016-12-31 16:17 | Comments(0)
2016年 12月 29日

百年の過去・未来ー茨(イバラ)・戸(ト)(29)

森本めぐみさん、展示ほぼ終わる。
後は最終微調整を今日予定。

太田ヒロさんの葬儀の模様が伝わってくる。
心ある友人たちが多く集まり良い葬儀だったようだ。
急遽参列者の展示や演奏もあったという。
死は時として生前見えなかった故人の地中の根のよう
な生を顕す。
百の過去が百の生を刺激する。
ひとつの生の終わりが、生きている今の生の根を
照射する。
自分も含めて今回友人たちがより一艘深くその心の根
を張っている存在として感じられたのだ。
土に還るとは、この事実を言うのだろうか・・。
死して、生者の心の土になる。

明日から森本めぐみ「百年の予定」展が始まる。
象徴的だなあ~、ヒロさん・・・。

もうひとりの百年の人、吉増剛造さんからfaxが届く。
機械不調で判読できず、電話をする。
昨晩の新宿ピットインでの大友良英氏との白熱のコラボ
の報告だった。
舞台で新たな「怪物君」も制作したという。
その様子を鈴木余位さんに撮影してもらい、かつ作品と
ともにこちらに送るという。
「火ノ刺繍」展示のコアが出来たよ・・と、。
今から明年4月の個展に懸ける集中が続く。
そういえば前回「怪物君 歌垣」展オープニングに太田
ヒロさんが珍しくも来ていた。
そして後日吉本隆明の「日時計篇」第一巻を持参し後記
に吉増さんが書いている、と言って置いていった。
吉増さんのGOZOCINEバックに流れる演奏は、ある
期間ドラム奏者富樫雅彦が多い。
この人もまたある事故で足を傷めドラム演奏を変えた人
である。
ドラムを捨て新たな打楽器を育てた太田ヒロとドラムを
捨てず奏法を変えた富樫雅彦。
ドラムが繋ぐ不思議な縁がこの時あったのかも知れない。

ヒロさんの葬儀でヒロさんの打楽器を使い小樽の橋本洋輔
さんが演奏したという、
するとヒロさんの奥さんが、この音色よ、といって楽器を
叩き直し演奏したという。
それが全くヒロさんの音だったよ、と橋本さんが驚く。
富樫の足の事故は奥さんに刺された事という。
しかしその後の演奏は素晴らしく多くの賞賛と賞を得た。
これは私の感じ方だが、奥さんの憎しみより愛の深さ・濃さ
ゆえの刃傷事件だった気がするのだ。
そして富樫は再びドラムに立ち向かった。
ヒロさんにも素晴らしい奥さんが、葬儀を仕切ったと聞く。
百年の過去・未来。
寄り添うようにケン&アヤ、キッツ&ナッツ、
ゴーゾ&マリリア、ヒロ&・・が「百年の・・」を流れている。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日
 am11時ーpm5時:2日’(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2016-12-29 14:24 | Comments(0)
2016年 12月 28日

「百年の予定」ふたりのバイクー茨(イバラ)・戸(ト)(29)

森本めぐみさんがお父さんの車で来る。
展示作業が始まる。
赤ちゃんはお父さんの車で睡っている。
その間に手早く作品を飾っていく。
小さな掌大の卵状の板に描かれている作品が
ざっと10点余り。
乳飲み子を抱えつつ制作した作品の展示作業だ。
やがて赤ちゃんが目を覚まし、父上が抱いて
入って来た。
赤ちゃんを娘にバトンタッチした父上に奥で
お茶を出す。
ふっと想い出し、ハーレーのバイクの事を聞いた。
かって恵庭から芸術の森の近くの高専まで、森本
めぐみさんをハーレーの補助席に乗せ送り迎えを
していた父上を思い出したからだ。
派手な大型オートバイにちょこんと補助席の可愛い
女の子。
それを目撃したWさんやMさんが、何時ぞや森本さん
と会った時にその話題となり、私も聞いていたのだ。
そして恵庭渓谷近くでバイクで谷に落ちた太田ヒロの
事も頭に浮かんでいた

今もハーレーに乗り続けています。
体が続く限り乗り続けます・・・。

と真面目な顔で父上は答えた。
出産に制作とふたつの里帰りをこなし、素晴らしい
ですね・・・と話すと、どっちに似たんだか・・・と
小さく笑った。

掌大の卵状の板に描かれた作品は、動画の一つ一つの
ように並べられ世界を創っている。
山田航「水に沈む羊」展で一部展示された作品の流れだ
が、さらに数を増やし世界が拡がっている。
数年前ここで壁一面の大作を制作・展示した時に比べ、
一点一点は小さいが、これなら赤ちゃんの世話の合間に
も少しづつ描き続ける事が可能なのだ。
そして数が集合すれば、ひとつの大きなストーリーが
展示のヴァリエーションによって自在に生まれる。
細かな位置点検は明日以降にして、ハーレー父・娘・子
は夕刻恵庭へ帰っていった。

もう太田ヒロさんの葬儀には出られそうもない。
明日も通院もあり無理そうなので、家の仏壇で手を合わせ
冥福を祈り、出会いに感謝する。

10年前2006年1月円山北町最後の高臣大介展夜。
ヒロさんは壮絶なライブを終え、その夜ぶっ倒れて寝込み
続け明け方。
その時ヒロさんが見たという長い髪の白い服の女性。
幻の精霊を見たヒロさん・・・。

ヒロさん。あれはやはり円山北町でともに時を重ねた前庭の
白樺の精霊だったと思います。
ヒロさんでなければ、感応できない事です。
その白樺は同年7月、ここで最初で最後となった村岸宏昭展
の主役白樺にも繋がっていたように感じています。

ヒロさん、節目節目で大変お世話になりました。
私以上に高臣大介、谷口顕一郎、橘内光則、中岡りえ、村岸
宏昭・・と、見えない所でお世話になってた気がします。

今、そんな気がしています。
ありがとう・・・
合掌。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日。
 am11時ーpm5時:2日(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2016-12-28 14:29 | Comments(0)
2016年 12月 27日

逝く人・来る人ー茨(イバラ)・戸(ト)(28)

赤子を抱いて無事帰省した森本めぐみさんが来る。
一部展示作品の搬入、そして明日定休日に大きな物
も運び込みたいと言うので合い鍵を渡す。
もう6ヵ月だろうか、前回見た時より首が据わり
じっとこっちを見る。
吉増剛造さんの最新GOZOCINEを見せた。
リストの曲に合わせ絵筆を草稿に叩きつけている。
そしてタンタンタンと口ずさむ。
喜ぶ赤ちゃん、そしておしっこ・・・。
オムツを拡げ手早く交換。
その時画面では上から青い絵の具を草稿に注いで
いるシーン。
まるでオムツみたい・・・。
森本さんが喜んで唱和する。
タンタンタン・・・。
そして言った。
まるでヨシマスさん、3歳の男の子みたい・・・。

画面に映っていた作品は、映像と共に送られて来た。
まるでチルド状態のように、絵の具が濡れて畳まれて
いる。
最初見た時は、その生々しさに腰が引けて、開く気が
失せる。
しかし今回は、森本さんと赤ちゃんのおかげか無心で
開く事が自然だった。
ヨシマスゴーゾー、ゼロ歳と唱和す・・・。
ネオ怪物君の誕生の産声・おしめの目撃のようだった。

森本さんが帰った後、小樽の橋本洋輔氏から電話が入る。
打楽奏者太田ヒロさんが今日午後3時に死去したという。
ガラス作家の高臣大介さんにも連絡して欲しい・・・。
すぐに高臣大介に連絡する。
太田ヒロさんは、ここでの高臣大介展と縁が深い。
11年前円山北町閉店時最後の展示。
その時の高臣大介展で太田ヒロの入神の演奏を聞いた
想い出がある。
そして今の場所で再開されたテンポラリースペースの
最初の展示高臣大介展でも、太田ヒロさんが演奏した。
ここの場の節目、高臣大介の展示の節目と太田ヒロの
演奏は何故か重なるのだ。
若い時スピード狂でバイクで崖から転落し足を痛めた。
それから打楽器奏者として足を使えず、ドラムを捨て、
自ら叩きたいと思う素材を見つけ地中などに埋め保管。
そして演奏時に持ち出し、それを叩き独自の演奏世界を
創造した。
私が印象に残っている楽器は、札沼線の廃線鉄路を楽器
にした演奏だった。
これら彼独自の音への美学で選ばれた楽器たちを展示し
毎夜演奏する展覧会も、かって試みた。
しかしそれ以上に、吹きガラス作家高臣大介と打楽奏者
太田ヒロとの交友の深さが心に遺る。
吹く力の創造と叩く力の創造が、ともに共通の透明な形象
を象眼して響き合っていた気がする。

誕生・逝去・・・。
逝く人、来る人・・・。
年の瀬の風景だ・・・。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日:2日休廊。
 am11時ーpm5時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

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by kakiten | 2016-12-27 13:58 | Comments(0)
2016年 12月 25日

光燦々・・ー茨(イバラ)・戸(ト)(27)

街のクリスマスイブの喧噪も明けて、晴天・青空拡がる。
白い饅頭のように積もった雪の輪郭が柔らかい。
街の佇まい、静かだ。
世界は、新しい年へ。
大晦日を過ごし、おせち料理を用意し、神社へ参拝する。
年の瀬、日本人の心の原風景が広がる。

真っ白な天地に静寂な祈りの世界。
北には清々とした、此処ならではの風景がある。
ぽっかりと浮く、梢の雪。
風の方向に吹き付けられた幹の白い影。
その反対側の濡れた黒い樹皮。
葉のない幹と枝の、青空に鋭く存在感ある樹の風姿。
祈りの姿のようだ。
天に拡がる枝・梢・幹は、見えない地中に根・根毛も
水という光を求めて垂直に地軸の中心に開いている。
宇宙の光の中心へ、地球の内なる熱の中心へ。
梢も根毛も天地の中心、祈る手のように、垂直な軸身
触れる指の震えを呼吸しているのだ。
人も同じ鼓動の中にいる。
祈りとは、クリスマスの西洋も大晦日・正月の日本も
本質的にはきっと変わらない。

喧噪の後に静寂がある。
静寂の内にこそ、踵の時間がある。
落葉の裸木と繁る樹木、両様が生命の形象だから、
梢と根毛の、明視・暗視の世界もあるのだ。

去る年・来る年、ふたつの年を駆けて、赤子を抱き帰郷
森本めぐみ展「百年の予定」が始まる。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日
 am11時ーpm5時:2日(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2016-12-25 14:08 | Comments(0)
2016年 12月 24日

雪を漕ぐー茨(イバラ)・戸(ト)(26)

50年ぶりで、積雪90cmを超えたとか・・。
人も車も足を奪われて、ノロノロ。
久し振りに、<雪を漕ぐ>という言葉を想い出した。
しかしこういう時は、平らな道より漕ぐ方の道が安全だ。
通院の帰りいつも通る幅の狭い南6条通りは避けた。
除雪の雪山で舗道はさらに狭くなり、場所によっては
通られず、車道へと出なければならない。
車輪でツルツル路面に降ったばかりの雪が足元を脅かす。
そして、背後から車。
雪を漕ぐような道は背後の車もなく、万一転倒しても
雪の中で安全だ。
市電ー地下鉄乗り継いで、円山駅から環状線を歩く。
市電ー地下鉄路線は、ススキノ・大通り経由なので
いつも酔客が多く嫌いだが、イブ前夜の昨夜は大荒れの
天気の所為か人が少ない。
円山の道も大雪で、人ひとりがやっと通れる幅となってる。
両側は雪山で雪の底を歩いている感じ。
白い雪の海の底で雪波を蹴り、漕いで進む。
沖縄のサトマン君の今日のF・Bに、青い海の岸辺で
戯れる仲間の写真が載っていた。
水の凍てついた雪の白。
南の海の青い波。
水の色だ・・・。

同じ日のF・B画面に福井県から帰郷の森本めぐみさんが
無事恵庭の実家に着いたと、載っている。
縄文遺跡カリンバのある恵庭。
赤い漆塗りの出土品が多いと聞く。
漆という自然の荒々しい植物野生に立ち向かい、縄文人は
赤い漆塗りを創ったのだ。
そして自らの手で、赤も発色したのだ。
燃える火の色。
漆からその火の色を生み、器物を創った人間は素晴らしい。
森本めぐみさんの印象的な勝負色は、赤。
カリンバ遺跡の卑彌呼となって、年を跨いで「百年の予定」
展が始まる。
野生の白の荒々しい出迎えで、卑彌呼の赤はその彩を増す事
だろう。

*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日:2日休廊。
 am11時ーpm5時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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by kakiten | 2016-12-24 15:42 | Comments(0)
2016年 12月 23日

白い闇ー茨(イバラ)・戸(ト)(25)

昨日来の大雪。
帰省中の次回展示者森本めぐみさんも飛行機千歳に到着
できず4時間後羽田空港着とSNSに記載している。
乳飲子を抱えながら大変だ。
空も大気も道も白い闇。
昨日慌ててT氏に車をお願いし、灯油を買いに行く。
年末年始の森本展も控え母子の為にも暖房切らす訳には
いかない。
支払金額を聞いて、あっと驚く。
前回より20円近くも高い。
何時の間にか値上がりだ。
外界も真っ白なら、懐も頭も真っ白。
内も外も白い闇・・・。

今冬はドカ雪が早い。
もう二度目である。
夏暑く、冬寒い。
この寒暖差が年々激しくなって、自然の野生が荒々しい。
両極の境(さかい)の層が薄くなっている。
自然も社会も中間層が磨滅しだしている気がする。
現象ー実体(媒介)ー本質の、実体(媒介)という世界が
省化されると、世界は両端に引き裂かれ閉塞してくる。
車速ー新幹線化する社会構造の最速方向化。
高度化ータワー化する高度方向化。
人間の眼も耳も情報の最速を向き、手足の行動様式も速度の
高速化を求め出す。
中間の緩い過程が喪われて、爪先立った浮き足構造だ。
自然から春・秋の中間・媒介の時が磨滅して、夏・冬の両端
が鋭くなっている。
国家主義が台頭して、国際主義が交代する。
トランプ・プーチン的指導者が、増えてくる。
産地偽装、杭打ち偽装、基礎研究軽視、豊洲移転の空洞発覚、
鉄道の基本点検偽装、・・・
近代化最速化の空洞・実体(媒介)の百年の空洞化が、あら
る分野で露出してきている。

糸魚川で大火災のニュースが流れる。
古い町。
路地が多い。
そこを強風が飛び火し、ビルを飛び越え同時多発火災。
空襲に遺された古い中通り・小路・路地裏が、今度は
自然の野生・強風で燃えあがり消える。
高層ビル化で消えた人間社会の裏通り構造が、自然界にも
飛び火して強風災害で路地が消える。
中間・界(さかい)の磨滅した両端が幅をきかせ始め、
世界は揺籃しはじめている。

白い闇の向こうに見える世界・・・・。

*川俣正TETRAーHOUSE326展ー12月26日まで。
*森本めぐみ展ー12月30日ー1月3日:2日休廊
 am11時ーpm5時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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by kakiten | 2016-12-23 14:57 | Comments(0)
2016年 12月 20日

寒気湧くー茨(イバラ)・戸(ト)(24)

定休日で一日閉じた画廊は、水道こそ凍結していない
が、家屋全体が寒気廊・・・。
今年は特に、まだ12月だが寒さが堪(こた)える。
積雪も早いし、気温も低い。
足元から寒気が湧いてくる。
夏と冬が二極化し、春・秋が省短化し温暖化・寒冷化
が進んでいる気がする。
この何年か根雪になるのは、クリスマスの頃だった。

心も体も内向きになり、身を固くしてパソコンに向かう。
東京のI氏からメールがある。
先日Tさんが見えた時東京へ行きI氏と会って私の話
となり、陣中見舞いをふたりで贈ろうと特殊栄養食品を
届けてくれたのだ。
そのI氏へ御礼のメールの返事だった。
そういえばちょうどTさんが見えていた時、旭川井上靖
文学館の仕事を終えた帰京直前の吉増さんから電話が来た。
その後封書便が届き、群像1月号掲載「火ノ刺繍」コピー
とブルータス今号掲載のコピーが同封されていた。
明年4月の展示に向けて、怪物君草稿・GOZOCINE
GOZOFAX・GOZOTEL・GOZOLETTER
と集中している。
私は寒気廊で身を縮め、応えが遅い・・出ない。
I氏とTさんからの暖かい贈り物、吉増さんの熱い投げかけ。
通院と寒気に身を縮めている場合ではないと、
心を奮い起こす。

デモ寒イナア~、今日モ・・。

*川俣正TETRAーHOUSE326展ー12月26日まで。
*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日:2日休廊
 am11時ーpm5時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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by kakiten | 2016-12-20 14:29 | Comments(0)
2016年 12月 17日

寒気の縦軸ー茨(イバラ)・戸(ト)(23)

一面白の世界、寒気が鋭い。
道が小さな山・谷を刻んでいる。
両脚の間は山になり、踏みつける足裏の部分は
谷となる。
山の傾斜に滑り、谷へと足が奪われる。
時に道が雪除けの山で塞がれ、車道へと追い出される。
すると自動車のゴムタイヤで磨かれたツルツル路面が
足を奪う。
そして車が背後から近づく。
移動の横軸が自然の寒気の縦軸に足止めを受けている。
踵の重心を垂直に心懸け地に降ろさなければ、道は転倒
の危険に満ちている。
本来、風景の天地の垂直軸の中を五体五感の重心と共に、
爪先・踵交互に踏み締めながら歩くのが人間の姿なのだ。
都市ではそうした人間本来の歩行リズムが消えて、移動の
<移ル>エネルギーが主となり支配している。
身体外の資源消費エネルギーで眼も耳も体全体がエレキ漬け。
身体機能は操作と確認だけの受動体だ。
従って人の行動パターンは、機械や電波の速度に深く類似し
ている。
その行動は、速い・遅い、新・旧二元論的価値を纏い、利便性
・効率性を伴って、終わりなき比較価値観レースの滑り台。
<最速・最新>を金科玉条とする世界は、描き割りの舞台風景・
空洞の張り子のようだ。
すでに街の風景はそうなっている。
記憶の垂直軸に残らない種々ショップ・建物の消去は、日常の
ありふれた風景だ。
都市からは、故郷の<故>も<郷>も消えている。
<故(ゆえ)>という踵(かかと)のアキレス腱が、現象だけ
の新旧転換に滑って切れているからだ。
空洞化の進む、故(ゆえ)というアキレス腱の切れた世界。

凍てついた滑る路面は、自然という神からの囁きのような警告
とも思える。

*川俣正TETRAーHOUSE326展ー12月26日まで。
*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日
 am11時ーpm5時:2日(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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by kakiten | 2016-12-17 16:01 | Comments(0)
2016年 12月 16日

寒中の訪問者ー茨(イバラ)・戸(ト)(22)

日中も氷点下を下回る凍える日。
ふらりとひとりの男性が入ってくる。
30歳前後だろうか、川俣展をじっくり見ている。
声をかけ話すと大阪から来たという。
そして愛知トリエンナーレで多くの作家に会い、
みんなからここの話を聞いて訪ねて来たと言う。
奥の談話室に誘い、お茶などを出してさらに話した。
博識な人で、すぐに談話室に置いてある作品にも
目を付け、これは戸谷成雄さんの作品ですね、と
木彫の作品の一部を指さした。
さらに鯉江良二さんの話、大野一雄の話と続く。
私はすっかり嬉しくなり、戸谷さんの資料や鯉江さん
の作品、大野一雄の石狩河口公演ドキュメントの本等
を見せた。
壁に貼ってある界川遊行のポスターにも興味を示した
ので、一部贈呈する事にした。
訪問の記念である。
すると大野さんのドキュメント本は購入してくれると
言うので、その時のポスターも添える事にした。
とても喜んでくれ、かって車椅子で公演した大野さん
を大阪で見た事も話してくれた。
愛知トリエンナーレで出逢った作家の話以外は多くを
語らぬ人だったが、帰った後芳名録を見ると住所は記載
なく名前だけが記されていた。
これは画廊を廻る作家によくある記載で、訪問者もなん
らかの美術系の作家のような気がした。
わざわざ大阪から此処を目指して訪ねてくる好奇心は、
そういう類の人である。
石田尚志、大木裕之、湊千尋、岡部昌生、鯉江良二等
愛知トリエンアーレ組の話や東京竹橋の吉増剛造展も
見た話もした。
寒気厳しい中、他に訪れる人もなくこの方だけがこの日
深く印象に残った訪問者だった。

*川俣正TETRAーHOUSE326展ー12月26日まで。
*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日まで。
 am11時ーpm5時:1月2日(月)休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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by kakiten | 2016-12-16 13:25 | Comments(0)